米債務問題の合意で好業績銘柄を見直す動き等もあって大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年08月01日 16時19分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9965.01円 △131.98円
売買高 19億2123万株
売買代金 1兆2944億5300万円
値上がり銘柄 1230銘柄
値下がり銘柄 313銘柄
騰落レシオ 106.71% △1.00%

日経平均

米債務問題の合意のニュースを受け、好業績銘柄を見直す動き等もあって大幅高

 先週末の米国市場は軟調、為替も円高と言うことで週末に好決算もみられたのですが冴えない展開が予想されました。ただ、昨日来米債務問題で合意に達したとのニュースが流れ、デフォルト回避を好感する動きから買い先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)も売り越しと伝えられたのですが、買い戻しを急ぐ動きや持高調整の買い等もあって寄り付きの買いが一巡となった後も堅調、日経平均は大幅高となりました。指数に影響の大きな値がさ銘柄など主力株に大きく値を上げるものもみられ、指数が押し上げられました。好決算に素直に反応する動きや好決算を発表しながら外部環境が悪く売られていた銘柄等も買い直されて高いものが目立ちました。

 後場も昼の時間に発表された好決算に反応して一段高となる場面もありましたが、さすがに目先筋の手仕舞い売りも多く、上値も重くなりました。手仕舞い売りを急ぐということもなく、買いが続く銘柄もみられましたが、市場参加者も若干増えたような感もあるものの、まだまだ米国経済指標や世界の景気動向などを見極めたいという向きも多いようで、最後まで積極的に買い上がるということもありませんでした。為替も円高修正がどんどん進むということでもなく、円高の影響が少なくなったとはいえ、円高が進む中で買い難い主力銘柄も多かったのだと思います。

 小型銘柄も堅調となりました。朝方から大きく買われる銘柄や値動きの良さが好感されて物色されるものなども多く、指数も堅調となりました。東証マザーズ指数やジャスダックTP20は大幅高、二部株指数や日経ジャスダック平均も大幅高となりました。先物は朝方はまとまった買いも断続的に見られましたが買い戻し一巡後は相変らずまとまった買いも散発的となっており、指数を大きく動かすような場面は見られませんでした。指数に影響の大きな銘柄が買われて指数がけん引されたという感じです。

 債務問題はぎりぎりのところで何とかなるのではないかと思いましたが、日本市場で最初に反応することになるとは思いませんでした。ただ、米国債務問題が片付いてもまだまだ景気鈍化懸念が強く、今週は注目される経済指標も多いことから一気に上値追いということにもいかないのだと思います。ここはしっかりと「森を見ながら」も決算動向などの「木」を見て行くと言うことが重要ではないかと思います。日経平均は9800円〜900円水準が下値の節目となってきそうです。

テクニカル分析

日経平均

 基準線を割り込んだところから反発となりました。RSIは方向感は無く、ストキャスティックスは下値余地もありながら底値圏にあるということで引き続き上値も重く下値も堅いような展開ではないかと思います。遅行線が日々線に絡むところでどのような動きになるのかが注目されます。

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