世界的な景気鈍化懸念や昨日の大幅高の反動もあって大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年08月02日 16時11分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国市場が軟調となったことから昨日の上昇を打ち消すような大幅安となりました。昨日の相場で日本市場が先走った感があり、米国では債務問題の解決も想定された通りということなのでしょう。逆に足元の景況感の悪化(というほどでもないのですが)に敏感に反応することになったようです。世界的な景気鈍化懸念が強まっており、積極的に買い切れないということなのだと思います。外国人も円高の割に売り越し基調となっており、買い気の乏しい展開となりました。

 米国市場が冴えない展開となったことで、先走っては、みたもののはしごをはずされたような格好となりました。米国債務の問題も今になって「出来レースだった」とか「合意するのはわかっていた」などという論調もみられますが、先週まではこの世の終わりのような論調ばかりが目立っていた感じです。かつて「ノストラダムスの大予言」なるものが大流行し、「世紀末には空から暗黒の大王が降ってくる」などとまことしやかにいわれたものです。今回の大震災でも「来ると思っていた」とか、原子力発電所の問題だって「ほらみたことか!」と後付けでいう向きが多いような気がします。

 ノストラダムスの予言や占い、そして口先だけの似非アナリストや株式評論家などに共通していることは当たるとか外れるということを異常に気にすること、そして、常に当たりといわれるようにいかにも曖昧な表現や難しい言葉をやたらと並べることなどがあります。個別の株価の動向や指数の動向などは完ぺきにあたる方がおかしいわけで、Aならば株は1000円近辺まで上昇するが、Bならば恐らく900円を超えたあたりから売りが多くなってくる、というようなことでみていくしかないと思います。

 妙に細かい数字にこだわったり、「曇り時々晴れ、ところによってにわか雨、場所によっては本降りになるでしょう」という天気予報のようなわけのわからないことをいうむきも多いと思います。また、マスコミなどが「カリスマ」だ何だと馬鹿みたいに普通のことしかいえない人間ややたら難しい横文字を使うだけの人間をもてはやしたりするから、相場の本質を見極める力に乏しくなってくるのだと思います。しっかりと相場の本質を見極め、次にこうなったら、こうするという対処の仕方を極めることが大切だと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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