欧米株や商品相場が大幅下落、日本市場も大暴落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年08月05日 18時08分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9299.88円 ▼359.30円
売買高 25億1458万株
売買代金 1兆6110億4000万円
値上がり銘柄 69銘柄
値下がり銘柄 1576銘柄
騰落レシオ 79.26% ▼10.13%

日経平均

欧米株や商品相場が大幅下落、円売り介入の成果も乏しく円高基調となったことを受けて日本市場も大暴落

 欧米株が大幅下落、商品相場も総じて軟調となったことなどから売り先行となりました。シカゴ市場(CME)の日経平均先物が9200円台となっていたことや為替も前日の介入の効果にも乏しく円高基調となり、外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)も大幅売り越しと伝えられたことで大幅安の始まりとなりました。寄り付きの売りが一巡となった後も買い戻しを急ぐ動きよりもヘッジ売り、見切り売りが嵩むということで戻りも鈍く、指数は小動きとなりました。改めて売り直すということでもなく、大幅安ながらも底堅さもみられたのですが、週末ということで買い戻しを急ぐよりは手仕舞い売りやヘッジ売りが多く、大幅安水準での動きとなりました。

 後場も一時円安に振れて株価指数も戻りかける場面もあったのですが、すぐに円が買い直されると逆に見切り売りが嵩んで、下げ幅拡大となる場面もありました。改めて売り叩くということでもないのですが、戻りの鈍さをみては売り直されてしまうというような状況で、最後まで買い戻しを急ぐようなそぶりもみられず、指数は大幅安水準での推移となりました。昼の時間帯や後場に入ってから好決算を発表するものもみられ、下げ渋りとなるものもあったのですが、全体の下げ渋りにはつながらず、最後はさすがに目先筋の買い戻しなどもあり、買い気に乏しい中で指数は若干戻して終わりました。

 小型銘柄も見切り売りに押されて大きく下げるものも多く、幕間つなぎで買われるものもほとんどみられませんでした。東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均、ジャスダックTOP20、二部株指数と揃って主力銘柄ほどではないのですが、大きな下げとなりました。先物は朝方はまとまった見切り売りヘッジ売りもみられたのですが、買い戻しを急ぐ動きはなく、後場に一瞬まとまった買いがみられた他はまとまった売り買いはみられず、指数を方向付けるようなこともありませんでした。先物主導と言うことではなく見切り売りに押されて指数が下がり、先物に売りが出ると言うような展開でした。

 欧米株安からの大幅下落となりました。世界的な景気鈍化ということで説明されていますが、かつての「上海発同時株安」の時等と同じようにファンドの決算等でのまとまった売りが幅広い市場で見られたということだと思います。商品相場も大きく下落したことで、説明されると思います。9月決算のファンドの「45日ルール」あるいは雇用統計や日銀の金融政策決定会合をきっかけに、米FOMC(公開市場委員会)を前に、金融緩和が期待外れに終わるリスクを避けるために処分したということなのかもしれません。米国でQE3(量的緩和)などが取りざたされるようなことでもあれば、買い直しもみられるのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

 一気に雲を割り込んでしまいました。RSIもストキャスティックスも下値余地もあり、ここから急反発というよりはいったん下値模索となって底堅めした後に一気に雲まで戻すという感じではないかと思います。雲のねじれを目指すことになる可能性もありそうですし、そこまで戻らないケースでも雲のねじれの日柄では底入れとなるのだと思います。

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