「4000円のシャツが高い」と感じる、イマの世の中はヘン?城繁幸×赤木智弘「低年収時代よ、こんにちは」(5)(2/5 ページ)

» 2011年08月16日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
城繁幸さん

城:全体的に、お金がかからなくなりましたよね。10万円のブランドスーツと、1万円のスーツを着ても、あまり着心地が変わらない。しかし1万円のスーツを着ていると、50代以上の人から「最近の若い奴は消費をあまりしない」と言われてしまう。でも着心地があまり変わらないのであれば、10万円のスーツよりも1万円のスーツを買う人が多くて当たり前だと思う。

赤木:僕は最近、4000円のシャツを購入したんですよ。そのシャツを買ったとき「ちょっと高いなあ」と感じました。でもよく考えてみると、子どものころの4000円のシャツといえば安物だった。

城:そうですね。

赤木:4000円のシャツを買って「高い買い物をしたなあ」と思う感覚が、自分の中で衝撃的だったんですよ。

城:赤木さんだけでなく、多くの人はそう感じていると思います。僕もそう。

赤木:昔であれば3000円のジーンズは、生地がすぐに変色したりしていた。そうした商品を買っても「安物だから仕方がないなあ」と思っていたりした。

城:僕はユニクロ発祥の地、山口県で生まれました。昔、地元ではユニクロを着ているだけで、少しバカにされたりした。というのも当時のユニクロは1回着るだけで、もう生地がヨレヨレになっていたから。

 でも今、ユニクロのTシャツを着ていて、バカにされることはありません。また1回着ただけで生地がヨレヨレになることもありません。

 お金を使わなくなったのではなくて、少ないお金で満足できるようになった。今はお金をあまり使わなくても、なんとなく満足して生きていける時代になっているんですよ。

赤木:「遊ぶ」ことでも大きく変わりましたよね。昔であればある程度の人数が集まれば、それなりの場所が必要だった。例えばカラオケ、ボーリング場、レストランといった場所が。しかし今はネット上で話すことができるので、場所が必要でない。

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