「MBA取得で違う職種にチャレンジできた」――普通の26歳がコロンビア留学で得たもの活躍するMBAホルダーたち(1/3 ページ)

» 2011年08月16日 11時00分 公開
[MY MBA.JP]

 日本のさらなる産業発展に資するプライベート・エクイティ投資を行うヴァリアント・パートナーズ。2006年に同社を立ち上げた代表取締役の加藤健氏に、ビジネススクールやMBAについてうかがった。

加藤健

ヴァリアント・パートナーズ代表取締役。1982年慶応義塾大学法学部卒業後、東燃化学に入社し、工場採算管理、物流、国内営業を経験。1990年にコロンビア大学MBA取得。1990年からマッキンゼーにてさまざまな経営改善プロジェクトに従事。1995年にシュローダー・ベンチャーズ(現MKSコンサルティング)にパートナーとして参画。2004年11月の退社までにベンチャー投資、MBO、再生と幅広い投資を手がける。2005年4月あすかコーポレートアドバイザリーの設立に参画。2006年4月、ヴァリアント・パートナーズ創設。


ヴァリアント・パートナーズ株式会社

2006年4月、日本の更なる産業発展に資するプライベートエクイティ投資を行うことを目的として、長年の協働経験をもつメンバーにより設立。2007年9月、第1号ファンド(コミットメント総額175億円)の組成を完了し、既に事業承継、戦略的非公開化などの投資を実施している。なお、会社名のヴァリアント(Valiant)は“勇敢な”“価値ある”という意味を持ち、設立メンバーの「自らそうあるべきという決意であるとともに、投資先の経営者と従業員の方々に対して勇気と価値をもたらしたい」という思いを表している。


入社4年目。仕事にも慣れ、次の目標を模索していた時にMBAと出会った

加藤健氏

――現在のお仕事の内容をお聞かせください。

加藤 投資ファンドの運用を行っています。投資ファンドの中でも、プライベートエクイティファンドと呼ばれるもので、機関投資家から預かった資金で、上場・未上場を問わず、既存の会社の過半数の株式を取得し、その会社をより良いものにしていき、最終的に株式公開に導いていくという仕事です。

 例えば、本来の実力を出し切れていないような会社を見つけてきて、投資をして改善することもありますし、オーナー企業のオーナーさんが引退するために事業継承をしたいというケースもあります。あるいは、大企業の子会社で、戦略的に合致しなくなったものを私たちで引き受けて単独での株式公開に導いていくこともあります。

――世間一般のイメージとしては、いかにもMBA的な仕事ですね。

加藤 経営戦略あり、財務あり、組織運営あり、会社経営におけるすべてのことが関わってくる仕事ですので、確かにMBA向きと言えばMBA向きですね。私の場合は、MBAを取得後、コンサルタントの仕事を5年間、投資の仕事を11年間経験した後、2006年に今の会社を立ち上げました。

――MBAを取得しようと思われた、そもそものきっかけは?

加藤 大学を卒業後、日本の会社に入って何年か経ったころ、次のキャリアを考えた時に、自分自身をもう1段成長させるための武器が必要になるだろうと思っていました。ちょうど、金融機関に勤める私の友人がMBA取得を目指しており、「ああ、これはいいな」と思い、自分でもMBAの研究をしてから留学の準備に入りました。自分の新しいキャリアを切り開いていくのに、MBAが良いだろうと考えたのです。

――そのころ、ご自身の置かれていた環境はどのようなものでしたか?

加藤 最初の会社では、まず原価計算などの部署で非常に面白い仕事をしていました。その後、営業に移り、営業のやり方も少し見えた中で、次に何をしたいとか、次にこういう人になりたいというような、身近なゴールというのが、ちょっと見えにくくなっていました。今後の自分のキャリアプランをどのように考えたら良いのかを模索していた時期でした。入社4年目、ちょうど26歳くらいの時ですね。

 20代の半ばというのは、将来どんなことをやって行こうかとか、おぼろげながら考えたり、悩んだりする年代だと思います。恐らく今の方々でも同じでしょう。社会人生活にも慣れて、これからどういう風にしていこうかと、何となく思い始める時期じゃないですか。

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