米国株安を受けて売り先行だが、売り一巡感もあって底堅い展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年08月17日 16時09分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国離れといえば米国離れの動きで、米国市場が軟調となって売り先行となり、一時大幅安となったのですが底堅い展開となりました。特に売り急ぐ動きもないということで持高調整の売りに押されるものもみられたのですが総じて底堅い展開となりました。朝方は米国株安に連れ、相変らず円高気味ということもあって大幅安となる場面もあったのですが、売り一巡感もあり、内需銘柄を物色する動きもみられ底堅い展開となりました。

 昨日も述べましたが相変らず目先の需給に振らされて値動きの良い銘柄に飛びつくような動きが多くみられます。値上がり率上位や値下がり率上位をみても、特に売り急がなければならないということでもない銘柄やここで慌てて買う必要もなさそうな銘柄が多く、材料に反応していると言うよりは株価の動きが材料を探させているような感じです。実際にここのメルマガの「銘柄ピックアップ」で取り上げた銘柄もなるべく材料が出て買われている、売られている銘柄を選ぶようにしてはいるのですが、材料を探すのに苦労するものも多いのが実状です。

 もちろん何でも材料はきっかけにすぎないことが多いのですが、好決算への反応も長続きせず、いったん買われた後売られても買い直すということが少ないような気がします。決算を見て「割安」とか「株価の水準訂正があるだろう」ということで買って、そのあと下がったら、「割安」と思っていた水準であり、「水準訂正するだろう」と思われる水準でも今度は買われない、ということが多いのだと思います。もちろん、その時と状況が変わってしまうこともありますが、短期に多くの銘柄でこうした現象がみられれば、やはり株価の値動きだけをみて動いている投資家や投機家が多いということなのでしょう。

 もちろんいつもこのコラムで述べていいることですが、こうした目先の動きに付いていくことが悪いということではないのですが、あまりにも偏り過ぎて相場がいびつになっているような気がします。日本市場だけではないのかもしれませんが、こうしたいびつな相場もいつか歪みが是正されるものと思って投資をするしかないと思います。急がば回れということなのか、目先の動きについて行くのか、一番良いのは両社のバランスを取りながら投資方針や投資金額を配分し、どんな相場にも対応できるようにするということが必要なのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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