政策不信や円高を嫌気して上値の重い展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年08月29日 16時12分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 8851.35円 △53.57円
売買高 19億5469万株
売買代金 1兆1891億5600万円
値上がり銘柄 1156銘柄
値下がり銘柄 355銘柄
騰落レシオ 73.12% △5.15%

日経平均

週末の米国株高に反応し切れず、政策不信や円高を嫌気して上値の重い展開

 週末の米国株は大幅高となったのですが、円高が進んだことなどから先週末水準での始まりとなりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)も引き続き売り越しと伝えられて、積極的に買い上がる動きというよりは買い戻しを急ぐ動きで指数を支えるような展開になりました。特に理由のないなかで手仕舞い売りに押される権利落ち銘柄等も多く、株式を保有することへの懸念も根強いという感じでした。

 後場に入ると買い戻しを急ぐ動きもさらに進み、大幅高となる場面もありました。ただ、民主党の党首選が進むに連れて手仕舞いを急ぐ売りに押されて上げ幅縮小、その後は大きな動きもありませんでした。財政問題や円高対策など問題は山積ですが、誰が総理大臣になっても強いリーダーシップを持っていろいろと進めていくというタイプでもないだけに、市場の方向性も定まり難いということなのだと思います。政策面での方向感が出るまでは相場にも方向感はみられず、目先の需給に振らされて右往左往することになるのでしょう。

 小型銘柄も太陽光発電関連銘柄等を中心に堅調なものがみられ、大幅高となるものもありました。指数では東証マザーズ指数とジャスダックTOP20が大幅高、二部株指数や日経ジャスダック平均も堅調となりました。先物もまとまった売り買いは相変らず少なく、方向をしっかりと示すような断続的な売り買いはありませんでした。仕掛け的なまとまった売り買いに指数が振らされる場面もあったのですが、それで方向感を示すこともありませんでした。

 米国市場の動きや経済指標等に反応し切れないということのようです。日本でも足元の業績は回復しているものが多いのですから、この流れを絶やさないような維持できるような政策が示されれば世界に先駆けて景気鈍化懸念や金融不安から解放されることになると思います。それにははっきりとした日本の方向性を示すという必要がありそうです。新しい総理大臣にはしっかりと政策の方向性を示し、円高も注視しているだけではなくいろいろと対策を練って実行して欲しいと思います。そうすれば株価もしっかりとしてくるのではないでしょうか。

テクニカル分析

日経平均

 RSIもストキャスティックスも底値圏から上昇が続き堅調な地合いが続いていますが、転換線に上値を押さえられています。底堅さはみられるものの戻りも鈍いという感じですが、転換線を抜けて今度は転換線のサポートを確認しながら基準線や雲のねじれを目指すことになるのでしょう。

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