弱者が“弱者に有利な制度”に反対してつぶしてしまう例はほかにもあります。
解雇規制の撤廃は、今、失業している人や年収の低い人には有利に働きます。解雇規制の撤廃が最も怖いのは、現在の給与が高い人なのです。なのに必ずしも年収が高くない人にも、解雇規制撤廃に反対する人が多いのはよく理解できません。
国民統一番号制度の導入も同じです。仮名口座で脱税しているお金持ちや、献金を受け取っている政治家にとっては、この制度の導入は身も凍るほどの恐怖でしょう。これは、金持ちの脱税資金に課税できる、一般庶民には有利な制度なのです。なのに、資産をたいして持たない人が「管理社会、絶対反対!」などという理由で反対するのはまったく意味不明です。
「何が自分たちの得になるのか」。教科書的な知識ではなく、現実に即して、合理的、実利的に考えるべきではないでしょうか?
そんじゃーね。
兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。著書に『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』がある。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN」
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