ユーロが一段安となって売りが嵩み大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年09月12日 16時18分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 先週の各国の政策や金融緩和期待、G7の対応が期待外れに終わり、金融不安が強まったことから、再度世界的な株安となり、週明けの日本市場も売り先行となりました。ユーロ安やシカゴ市場(CME)や大阪市場のイブニング取引で日経平均先物が大きく売られていたことから売り先行、大幅安の始まりとなり、外国人も再び売り越し基調となったことから、寄り付きからの売りが一巡となっても戻りも鈍く、大幅安水準で指数は小動きとなりました。

 相変らず冴えない展開が続いていますが、株価が高い時でも何となく盛り上がらない相場であることも多く、指数や株価が大きく上げ下げしても何だか盛り上がらないことが多いような気がします。実際に株式投資を行なっている人達も従来のように、「ここだけの話」や個々人独自の相場観での投資等というのも非常に少なく、相場の見方が当たって損をするよりも、相場観などなくても儲かる方が良いということなのだと思います。

 以前にもこのコラムで述べましたが、現状、株式投資を勧誘するのも非常に規制がきつく、従来のように証券マンが個々の人脈や相場観で株を勧めるということはほとんど皆無だと思います。また、ちょっとした売り買いのテクニックなどを使うことも出来ず、やはり株式市場を活性化させるにはある程度規制を緩和することも必要ではないかと思います。

 ディーラーなどが空売りを禁止されていることで、下げ止まらないことも多く、ちょっとした売り買いの駆け引きなどを使うと「見せ玉」だとか「相場操縦」だとか、言われてしまいます。もちろん、詐欺まがいの行為は厳重に取り締まるべきなのでしょうが、一挙手一投足、箸の上げ下ろしまで金融当局が決めるのではなく、細かいところはある程度証券会社や証券マンに任せてもいいのではないかと思います。その方が証券市場はもっと活性化してくるのではないでしょうか。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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