一時大幅高となるなど堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年10月13日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8738.90▼34.78

<TOPIX>753.44▼1.56

<NYダウ>11518.85△102.55

<NASDAQ>2604.73△21.70

<NY為替>77.26△0.62

好調な決算発表や欧州金融不安が薄れたことから一時大幅高となるなど堅調な展開

 好調な決算や小売売上高が示されたことや欧州金融不安が薄れたこと、特に銀行の財務体質強化の方向性が示されことなどが好感され売られ過ぎの買い直しもあって堅調となりました。買戻しを急ぐ動きもみられ一時大幅高となるなど総じて堅調となりました。予想を下回る決算を発表したものもみられましたが、決して「悪い」というほどの決算ということでもなく、そうした銘柄にも底堅さがみられるなど相場全体の雰囲気も良くなってきたようです。

 金融システムに対する懸念が薄れたことで、景気鈍化懸念も薄れ、足元の好調な業績を見直す動きも出ているものと思います。リスクはまだ残るものの、リスク許容度も大きく上昇し、売られ過ぎた銘柄の見直しもみられるようです。まだまだ疑心暗鬼な面もあり、企業決算の動向に一喜一憂するのでしょうが、悲観的な見方も徐々に薄れているものと思います。下振れリスクを残しながら底入れ感も強まり、戻りを試す動きが続くものと思います。

 個別には前日の引け後に発表した決算が予想を下回ったアルコアが軟調、金先物価格は上昇となってパブリック・ゴールドは堅調となったのですが、ニューモント・マイニングは軟調、モンサントも小幅安と非鉄・素材に軟調なものがみられました。欧州金融不安が薄れたことでシティグループやバンク・オブ・アメリカが大幅高、JPモルガンチェースも堅調となり、予想を上回る決算を発表したペプシコ、既存店売り上げが改善傾向に転じたウォルマートが高くなるなど個人消費関連も堅調なものが目立ちました。世界的な景気鈍化懸念が薄れて、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)など景気敏感株も高く、IBMやアップル、インテルなどハイテク銘柄も総じて堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は前日の大幅高の反動や米国市場のもたつきなどから売り先行となり、外国人が買い越しと伝えられたことなどから底堅さもみられ、買戻しを急ぐ動きもみられたのですが、相変わらず盛り上がりに欠ける展開で指数の戻りは鈍く、小動きとなりました。方向感に乏しい展開で売買代金も1兆円に届かず、冴えない相場となりました。ただ、海運株が大幅高主力銘柄に堅調なものもみられるなど底堅さや売り一巡感を示すような雰囲気もありました。

 米国株高や円安を受けて買い先行となりそうです。ここのところ海外株高に比べて出遅れ感もありましたが、さすがにユーロなどが大きく上昇、円安になったことで買い直しや値ごろ感からの買い、売られすぎた銘柄の買戻しなどもみられると思われます。ただ、ここのところ大きく戻しているものも多く、主力銘柄を中心に水準訂正後に物色対象が絞れなければ指数の上値も限定的となりそうです。とりあえず円安を好感して輸出株などが買い直されるのでしょうが、タイの洪水の影響を見極めたいということで、タイに工場のある銘柄などは敬遠されるのではないかと思います。

 日経平均は引き続き8800円〜900円水準の節目を試す動きが続きそうです。昨日の冴えない相場の反動や円安ということで反発は期待されますが、円高懸念や欧州金融不安、世界的な景気減速懸念が完全に払拭されたわけでもなく、一気に8800円〜900円水準を抜けるということでもなさそうです。オプションSQ(特別清算指数)算出に絡んで先物にヘッジのまとまった売り買いなどがみられ大きく振らされる場面もあるのかもしれません。

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