円高を嫌気した売りに押されて大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年10月20日 16時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国市場ではナスダック指数が大幅安となるなど軟調となったことから日本市場も売り先行となりました。それでも昨日の冴えない相場で米国株の下落をある程度織り込んでいたこともあり、底堅さもみられました。後場に入ってからいったん下値を試す動きもみられましたが、特に売り急ぐでもなく、相変わらず方向感に乏しい展開となりました。売買高、売買代金はともに少なく閑散とした相場が続きました。

 大震災以降、冴えない相場展開が続いていますが、本当にバブルの頃が懐かしく感じられます。こんな話をすると昔を懐かしんでも始まらないというようにいわれるかもしれませんが、自分が若かったせいもありますが、当時は本当にもっと高揚感があったような気がします。いつの間にか行動があまりに規律に縛られるようになり、少し「普通」のところからはみ出すと排除されてしまうことが多いのではないかと思います。

 何でもかんでも小さくまとまり、「草食系」だかなんだか知りませんがおとなしすぎるのではないかと思います。礼儀正しいとか恥を知っているとかそういうように捉えられるのかもしれませんが、多少はちゃめちゃなことをしてもしっかりと修復できる範囲で暴れているうちはいいのではないかと思います。「バブルつぶし」の時でも、証券界も「規制、規制」でがんじがらめになっており、画一的になりおとなしくなりすぎているのではないかと思います。

 もちろん不誠実な輩も多いので画一的に規制をするのでしょうが、もっと「投資」が出来るような環境が必要ということでしょう。ただ、こうした閑散としてまるでやる気のないようなときが「絶好の買い場」ということもあり、こんな風にとても寒いときに、「麦藁帽子を買っておく」のも良いのだと思います。円高を嫌気する動きもあるのですが、想定されていたよりも業績が良い銘柄も案外多いのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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