一時大幅高となるも円高を嫌気する動きや週末の手仕舞い売りも嵩んで上値も重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年10月28日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅高となったことから買い先行、円高ということや週末の手仕舞い売りに押されて上値も重いものの大幅高となりました。積極的に買い上がるというよりはまだまだ買戻しが中心とみられますが、円高にもかかわらず輸出株も高くなるなど総じて堅調、主力銘柄にも大幅高となるものが多くみられ、指数も値持ちの良い展開となりました。これまでに欧州金融不安=信用収縮の動きで売られすぎとなっていた面も多く、週末ということもあり、買戻しを急ぐ動きもあったものと思います。

 相変わらず日中の値動きが小さく、方向感がみられません。ただ、逆に言えば、昨日のようにいったん方向感が出ると予想以上に大きな動きとなることも多いのではないかと思います。日計り売買だからといってあまり相場全体の方向感を考えず、個別の値動きだけを追ってる向きも多いようです。アルゴリズム取引と言われるような値動きや目先の売り買いの株数などで売り買いをするということも多くなっているのでしょう。日計り売買というのも目先の値動きを追うだけというのも考え方によっては「リスク」を少なくする一つの方法でもあるので一概には否定することはできませんが、単に値動きを見て売買するということだけではいけないと思います。

 しっかりと方向感を持って(方向感が見えないときでも)日計り売買をするべきですし、目先の値動きだけでなく、債券や為替の動き、そして先物の動きなどをみながら方向性を見ておく必要もあるということでしょう。ただ、昨日のように突如として動きが見られたときにでもとりあえず買えばいいのか売ればいいのかなど臨機応変な対応が必要となってくると思います。いずれにしても大切なことはここでどの程度の損失を考えておけばいいのか、というような「リスク」をコントロールすることが大切なのだと思います。儲かるときは儲かるのですから、いかに損失をコントロールすることが大切かということだと思います。

 単純に考えてリスクをコントロールせずに1週間で100円下がってしまった場合でも、例えば10円の損失を繰り返すというコントロールのしかたであれば、100円下がる相場でも10円ずつ3回の損失、30円の損で済む場合もあるということです。つまり、常に儲かった時の売り場を考えるのではなく、損した時の売り場を考えておくということだと思います。そうすれば、1勝9敗えも儲かるような取引ができるようになるのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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