年収100万から1億円まで――フリー女子アナ界の生き抜き方とは嶋田淑之の「この人に逢いたい!」(1/4 ページ)

» 2011年11月04日 08時00分 公開
[嶋田淑之,Business Media 誠]

嶋田淑之の「この人に逢いたい!」とは?:

 「こんなことをやりたい!」――夢を実現するために、会社という組織の中で、あるいは個人で奮闘して目標に向かって邁進する人がいる。

 本連載では、戦略経営に詳しい嶋田淑之氏が、仕事を通して夢を実現する人物をクローズアップしてインタビュー。どのようなコンセプトで、どうやって夢を形にしたのか。日々、現場でどのように発想し、どう仕事に取り組んでいるのか――徹底的なインタビューを通して浮き彫りにしていく。


 民放キー局のアナウンサー試験の倍率は数千倍と噂され、収入面でも交友関係の面でも華やかなイメージが付きまとう女子アナの世界。特に、民放キー局の人気女子アナがフリーになると、人によっては年収が1億円を超えるケースもあると言われている。

 一方、鳴り物入りでフリーになったものの、その活躍は短期間で終わり、いつの間にか、表舞台から姿を消しているケースもある。

 年収だけで見ても、100万円以下から1億円超まで、あまりにも幅があり過ぎて、実態のよく分からないフリー女子アナの世界。加えて、フリーと言っても、本当にどこにも所属していない文字通りのフリーランスの女子アナがいる一方で、世間一般では、局アナを辞めてプロダクション所属になった女子アナもフリーと呼ぶなど、定義も曖昧だ。

 そこで、今回は東海地区を中心に、文字通り、どこにも所属していないフリーアナウンサーとして活躍している倉橋満里子さん(33)に、業界内部の事情やそこでのサバイバルについてお聞きした。

 倉橋さんは、関西外国語大学の国際言語学部を卒業し、JTBに入社。静岡支店に配属された翌年に、個人の営業成績で中部地方1位を記録。入社3年目には、同社史上最年少でチームリーダーに就任する。その後、同社の顔として同地区のテレビ番組やラジオ番組にレギュラー出演して、日本全国の観光地のリポートなどをしていたが、やがてアナウンサーとして独立し、プロダクションと契約。現在はプロダクションからも離れ、フリーアナウンサーとして活躍する傍ら、そしてキャリアコンサルタントやデザイナーとしても活動している。

倉橋満里子さん

芸能人やスポーツ選手との合コン三昧なんて考えられないです(笑)

 せっかくの女子アナへのインタビューなので、ミーハーな質問から始めてみた。

 女子アナと言えば、局アナ、フリーアナを問わず、タレントやお笑い芸人、スポーツ選手と合コン三昧の日々を送っているイメージが筆者にはあり、実際、そういう人々との結婚も多いようだが……。

 「いいえ、全然そんなことはないですよ(笑)。もちろん、中にはそういう方もいらっしゃるでしょうが、ごくごく一部の例外的な方々だと思います。基本的にアナウンサーの仕事の現場というのは、想像以上に地味なんです。ロケ現場に直行して、撮影スタッフに囲まれてリポートをして終わりとか、スタジオでの生放送でも、芸能人とご一緒したとしても、打ち合わせと本番で顔を合わせるだけで直接個人的に交流することなど、まずありませんからね。

 一視聴者としてテレビを見ていた女性が、『芸能人やスポーツ選手と仲良くなったり結婚したい』と思ってアナウンサーになったとしたら、想像と現実のギャップに唖然とし、後悔すると思いますよ。

 私がテレビに出るようになってから、もう何年も経ちますが、同じ業界の知人が芸能人やスポーツ選手との合コンに参加したという噂を2回ほど人づてに聞いたことがあるだけです。少なくとも私には、とても縁遠い世界ですね」

 もちろん、人によって事情は異なっているだろうが、芸能人やスポーツ選手との距離は思いのほか遠いようだ。ただ、テレビを見た一般人男性からのラブレターは平均すると毎週1通は来るということで、“モテる”職業であることは確かなようだ。

 では、女子アナと結婚したい男性として必要な資質は何だろうか? 私の下世話な質問にあきれ、苦笑しながらも、倉橋さんは丁寧に答えてくれた。

 「女子アナは大体、話好きですから、聞き上手であることは大事な要素だと思いますよ。その上で、時々、男気のあるアドバイスをしてあげるとポイントが上昇しますね」

 なるほど! さて、ミーハーな質問はこれくらいにして、本題に入ろう。

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