“無料”の釣りやクーポンの二重価格、消費者庁が注意喚起(1/2 ページ)

» 2011年11月09日 08時00分 公開
[安田英久,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:安田英久(やすだ・ひでひさ)

インプレスビジネスメディアWeb担当者Forum編集長。プログラミングやサーバ、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、現在、Webサイト「Web担当者Forum」編集長。ビジネスにおけるウェブサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開している。


 「無料」を強調しながらも実質的には料金を支払わないと利用できないサービスや、クーポンサイトの不当な二重価格表示、クチコミやアフィリエイトでの優良誤認などについて、その問題点と留意事項を消費者庁が例を挙げてまとめました。

 ・「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」の公表について(消費者庁、PDF、参照リンク)

 「無料といいつつそうじゃない。ああ、あのゲームサイトね」と思うかもしれませんが、今回の消費者庁の資料は、そうしたサイト以外にも関連する注意点(特にアフィリエイト出稿など)も含まれていますので、注意が必要です。

 これは、ネット上のどんな広告やサイト上の記述が問題となるのかを解説するもので、次の5つのサービスタイプについて、それぞれ起こりえる景品表示法上の問題点や留意事項を提示したもの。

  • フリーミアム(基本無料だが付加的なサービスを有料とするモデル)
  • クチコミサイト
  • フラッシュマーケティング(クーポンサイト)
  • アフィリエイト
  • ドロップシッピング

 資料はかなりしっかりと作られているため、詳細はオリジナルの公表資料PDFを参照してほしいのですが、ポイントをいくつか紹介していきましょう。

「無料」を強調しすぎるのはNG

 基本的なサービスは無料で利用でき、一部のユーザーが付加的なサービスを有料で利用する「フリーミアム」型のサービスにおいては、次のような事例があります。

  • ゲームのサービスを提供する事業者が「完全無料でゲームをプレイ可能」と表示(実際には:ゲーム上で使用するアイテムを購入しないと、ゲームを一定のレベルから先に進めることができない)
  • 動画視聴サービスを提供する事業者が「完全無料で動画が見放題」と表示(実際には:動画をあらゆる時間帯にわたって視聴するためには、月額使用料を支払う必要がある)
  • 「無料ですべてのデータを保存して、どこからでもアクセスできます」と表示(実際には:無料で保存できるデータ量やデータの種類が限られている)

 これは、事業者が「サービスを無料で利用できること」を強く強調して表示(宣伝)することで、付加的なサービスも含めて無料で利用できる(完全無料)と一般消費者に誤認させることから、景表法上の不当表示となる例です。

 この場合、事業者はどこまで無料なのか、その具体的な内容と範囲を正確かつ明瞭に表示する必要があります。

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