底堅さは見られたが、見切売りも嵩んで下げ幅拡大清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年11月15日 16時35分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株安や円高となったことから売り先行となりました。それでも欧州金融不安や米国での景気鈍化懸念が薄れていることに加え、外国人も今日は買い越しと伝えられたこともあり、底堅い展開となりました。底堅さが確認されても戻りきらず、いつものことではあるのですが、指数に方向感はみられず冴えない展開で小動きとなりました。売買高、売買代金ともに相変わらず少なく、手掛かり難のなかで幕間つなぎ的に物色されるものも限定的となったようです。

 為替に敏感に反応しながらも仕切れないという感じです。株式市場は個別に反応する動きはみられるものの、業種やテーマで買われるということもなく相場全体で海外市場動向や為替動向に反応しているだけという感じです。昨日もMCを担当しているインターネットテレビのゲストにいらした投資顧問会社の代表取締役社長の方もおっしゃっていたのですが、日本にもやはり「変化=チェンジ」が必要なのではないかと、特に株式市場ではどこかで意識改革、制度改革など変化が必要なのではないかと思います。

 これまでの「大相場」と言われるときは、もちろん金融政策などの影響は大きいのですが、古くは「所得倍増計画」や「日本列島改造計画」、そして中曽根政権時のNTT(9432)などの民営化、最近では小泉政権時の「郵政改革」と何か「変化」=はっきりとした政策が起きたときに相場となっているわけで、民主党政権になったときもほんの「17分間」だけ大相場となり、変化がないとわかると相場も冴えない動きとなったということでしょう。

 今回もTPPをきっかけに「変化」がみられ、大相場になるかと期待されましたが、そのTPP自体もまったくどこに進むかわからないということで失望している面もあると思います。何か「変化=政策変更」があれば、その変化に対応した銘柄やテーマで物色することができ、その動きがきっかけになって大相場となるということでしょう。オバマ政権のようにはっきりと「輸出で稼ぐ」というか、あるいは逆に「内需拡大にまい進する」などと変化、あるいははっきりとした政策がみられると大きな相場も出てくるのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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