コラム
» 2011年11月25日 09時12分 公開

会社にぶら下ってはいけない……は信じていいのか吉田典史の時事日想(3/4 ページ)

[吉田典史,Business Media 誠]

 仮に転職試験を受けるとする。そこでも、前職の実績が問われる。面接官を納得させられる実績を残そうとするならば、やはり、上司の支援が必要になる。そこで運よく、転職ができたとする。だが、ここでも上司の顔色をうかがわざるを得ない。

 例えば、営業部の役員や部長などを決める際、職務遂行能力だけで決まるのだろうか。いや、課長や主任でもいい。本当に職務遂行能力で昇格が決まるのだろうか。職務遂行能力が高いか低いかを決めるのは、上司なのだ。

 独立をしたとしても、同じことである。例えば、取引先とトラブルを続けていれば仕事の依頼は少なくなるに違いない。その仕事を評価する力を取引先が持っていない場合もある。それでも、その仕事をせざるを得えないことはある。とらえ方によっては、会社員よりも立場は苦しくなる。以前、取材の際、彼はこんなことを話していた。「部下がゴマをすって、上司についていっても、その上司が左遷されれば、部下は後ろ盾を失い、アウトになる」。

 「アウト」はおそらく出世を指すのだろうが、 これは私が知る限り、大企業の役員らに該当する話である。例えば、大手印刷会社で10年近く前に起きたケースだが、社長が10数人の役員の中から、50代前半の役員を専務に抜てきした。

 ところが、その社長が社内の不祥事で退陣すると、専務も辞めていかざるを得なくなった。同社の管理職らによると、「ほかの役員らが会長などに手を回し、専務が残れないように包囲網を作った」という。

 私はこのような話を、営業部や企画部、人事部、工場などの現場でまず聞かない。せいぜい、部長が左遷され、その側近である副部長なども他部署に異動になるという程度だろう。彼が言うような「上司が左遷されれば、部下も後ろ盾を失い、アウトになる」といったことは、噂でも耳にしたことがない。

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