大幅安の反動から買い先行となるも、上値も重く方向感に乏しい展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年12月16日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 米国株高や昨日の大幅下落の反動から買い先行となりましたが、週末ということもあって相変らず方向感に乏しく上値の重い展開となりました。積極的に買い上がるだけの材料にも買い手にも乏しいという感じで、寄り付きからの買い一巡後は全くといっていいほど方向感に乏しく、閑散小動きとなりました。米国ではクワドラプル・ウィッチングという日本のSQ(特別清算指数)算出のような日であり、クリスマス休暇前の手仕舞いの売り買いで波乱となる可能性もあり、欧州金融不安が根強い中での週末ということで売り買いに乏しくなったものと思います。

 余談ですが、本日は「北斗会」の大忘年会を行ないます。来週の金曜日が休みとなることで本日の忘年会などは多いのではないかと思いますが、来週からは外国人もさらにクリスマス休暇で動き難く、日本の機関投資家も積極的に売り買いをするようなことも少ないのではないかと思います。最近では何となく「年末」という雰囲気に乏しくなったのですが、欧米のクリスマス休暇は健在ということでこの時期に動き難くなってくるのかもしれません。

 季節性とか季節要因ということはやはり相場=お金の流れですからみられるわけで、例えば、期末ということで貸し借りを綺麗にしようという動きが多く、資金需要が多くなるとか、決算期なので、評価損益ではなく、実現するために持高を手仕舞うなどということもあるのだと思います。ですから、金利が上昇したというところでも、長期金利=国債利回りが上昇したというケースではリスク許容度が減って売られ利回りが上昇というケースや持高を減らして休暇に入るということで売られ金利が上昇するケースなどもあり、単純に金利が上昇したから危ないなどといっていいのかどうかわからないこともあるのではないかと思います。

 短期金利でも期越えの資金が必要で短期金利が上昇するということもあるのでしょうし、株式や商品でもいったん手仕舞うということもあるのだと思います。また戻って来る資金が売っているのか、それとも売り切りでもう戻ってこない資金が売っているのか、株式でも債券でも商品でもしっかりと見極めることが必要になってくるのでしょう。また戻って来る資金が売っているのであれば、買い直すことになると思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.