好調な景況感とユーロ圏の格下げ問題で、まちまちの展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年12月19日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8401.72△24.35

<TOPIX>723.56▼1.46

<NYダウ>11866.39▼2.42

<NASDAQ>2555.33△14.32

<NY為替>77.76▼0.07

引き続き好調な景況感とユーロ圏の格下げ問題などがせめぎ合い、まちまちの展開

 欧州問題は懸念されるものの、ドル安効果もあって足元の景況感は決して悪いものではないことから、値頃感からの買いも入り堅調な展開となりました。ただ、ユーロ圏6カ国の長期債務格付けの引き下げが取りざたされると週末の手仕舞い売りもあって上げ幅縮小、ダウ平均は軟調となりました。ユーロの影響が直接みえているということでもなく、売り急ぐ動きはみられなかったのですが、欧州金融不安の影響がどこまで続くのかという不安もあり、目先的な手仕舞いの動きとなったものと思います。

 クリスマス商戦も引き続き好調と伝えられて、足元の景況感は決して悪いものではなく、欧州財政問題の影響の度合いを計っているという感じです。欧州金融不安が直接的に米国企業に影響を与えるというよりも欧州の景気鈍化が新興国の景気鈍化につながり、新興国の景気鈍化が世界的な景気鈍化につながるという雰囲気だと思います。ここのところ発表されている経済指標なども好調、改善されているものも多く、底堅い堅調な展開が続きそうです。

 個別には減益決算が嫌気されてリサーチ・イン・モーション(RIM)が大幅下落、世界的な景気鈍化懸念からの手仕舞い売りに押されてIBMやインテルも軟調となりました。それでもグーグルやアップルが堅調となるなどハイテク銘柄もまちまちとなりました。欧州金融不安が懸念されたのですが、バンク・オブ・アメリカは軟調となったもののJPモルガン・チェースやシティグループは堅調となるなど金融株もまちまち、キャタピラーは軟調となったのですが、GE(ゼネラル・エレクトリック)やアルコアが堅調、フォード・モーターは変わらずと景気敏感株もまちまちとなりました。原油価格は軟調、金価格は堅調となったのですが、エクソン・モービルなどの石油株やパブリック・ゴールドなど金鉱株は総じて堅調となりました。ホーム・デポやウォルマートなど消費関連銘柄も堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高や前日の大幅下落の反動から買い先行となりました。ただ、外国人も引き続き売り越し基調となったことで積極的な買いも入らず、堅調ながらも上値の重い展開で小動き、方向感に乏しい展開となりました。為替も大きな動きはみられず、手掛かり難の週末ということで持高調整の売り買いはみられるものの、指数を動かすような動きもほとんどありませんでした。先物のまとまった売り買いもみられず、閑散小動きとなりました。

 週末の米国市場は小動きとなりましたが、引き続きユーロ安などもあって日本市場は冴えない展開となりそうです。欧州金融不安が根強く、世界的な景気鈍化懸念もあるなかで円高が進む状況では積極的に買い上がり難いということでしょう。改めて売り急ぐような手掛かりにも乏しいことから底堅さもみられるのでしょうが、少なくとも上値を追って買い上がるようなことも少ないと思われます。目先的な需給要因に振らされる展開で、値動きの良い銘柄を物色することになりそうです。ゲーム関連銘柄などが為替の影響も少なく値動きも良くなりそうで、物色されそうです。ハイテク銘柄など輸出関連銘柄は敬遠されそうです。

 8500円〜600円水準が上値となりそうです。欧州金融不安が薄れ、ユーロに対しての円高が止まるような動きにならならいと上値の重い展開が続くと思われます。円高がさらに進むようであれば、8200円〜300円水準の節目を試すことになり、円高一服となってくれば8500円〜600円水準まで戻るということでしょう。欧州問題が一段落となり、円高傾向が止まったと確認されるということでもないがそれ以上の上昇が難しくなっているのかもしれません。

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