では、なぜ、こんな目に遭ったのか?
一言でいえば、私の市長として実行した改革が、既得権益や利権を奪われた人びとの恨みを買い、その報復としてバッシング記事が仕掛けられたということだ。私のイメージダウンを図り、政治生命を絶とうとしたのだ。
一連の報道を受け、横浜市議会でやり玉に挙げられたが、私は相手にせず、出版社を相手取った名誉毀損裁判を起こした。ありもしない女性問題で議会の進行を遅らせたくはなかったからだ。少なくとも係争中は黙秘できるし、裁判で真相が明らかになれば議会で追及されることもなくなる。「全ては裁判で明らかになる」と表明し、粛々と市長職をこなした。それが私なりの反撃だった。
そして、最初の報道から約3年が過ぎた2010年10月、特に悪質だった3つの記事(強制わいせつ疑惑、公金横領疑惑、市長公務の放棄疑惑)について「こうした事実はない」と裁判で認められた。さらに、「私と結婚の約束をしていたのに裏切られた」として元ホステスの女性から慰謝料を請求された裁判でも、交際の事実がないとして訴えが棄却された。
これで晴れて潔白が証明されたわけだが、読者の中には「そうはいっても、つけいられるような事実があったんじゃないか?」と詮索する向きもあるかもしれない。「火のないところに煙は立たず」という言葉もある。しかし、実際にそうした事実はない。
私を陥れようとする者たちの狙いは、一時的にターゲットを貶(おとし)めることであって、事実であるかどうか、裁判で勝つか負けるかなど関係がないのだ。
そこに隠された真実とは何なのか。現役市長を辞したいまだからこそ語れる地方政治のダークな世界を、皆さんにお伝えしていきたいと思う。
(続く)
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