欧米市場が休場で方向感に乏しい中で手仕舞い売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年12月27日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 欧米市場などが休場ということもあり、日本市場は方向感に乏しい展開となりました。外国人売買動向も買い越しと伝えられたのですが、特に材料視されることもなく手仕舞い売りに押されて軟調な始まりとなった後は北朝鮮に絡む噂などでいったん売られる場面もあったものの、それ以外には全くといって良いほど動きはみられず、閑散とした相場展開になりました。クリスマス休暇ということに加えて年末・年始休暇ということで積極的な売り買いは全くみられず持高調整の売り買いや目先筋の売り買いが中心となるなかで方向感はみられませんでした。

 今年も冴えない1年が終わろうとしていますが、来年に対してもあまり期待する向きも少ないようです。かつては年末恒例の「来年の相場予測」などというと年後半に高値を予測する向きが多くみられたのですが、最近では多少傾向も変りつつあるようです。それでも、右肩上がりをどうしても期待してしまうのではないかと思います。それだけ、バブルがはじけてからは「いい年」になることも少なく、毎年波乱要因があるような気がします。「辰年は高い」といっても戦後の「辰年」など5回しかなく、そのうち3回高いからといって来年高いとも限らないと思います。

 巷で流行っているものの本は株式相場の本ではなく、FXの本や「節約」を奨励するような本ばかりで、一か八かの博打に近いものやこつこつと「貯める」ことを目的としたものなどが多いような気がします。自分の中では「お金を使うこと」が自分が儲かることだと考えていますし、景気が悪いといって節約をして貯めることばかりをしていても景気は良くならないのでしょうし、博打のようなことばかりをしていても景気が良くなるわけでもないと思います。

 消費税増税論議も増税によって投資が萎縮してますます税収が少なくなるという懸念もあり、やはりまずは「デフレ脱却」ということが一番ではないかと思います。デフレ脱却となれば、今のうちに買っておかなければ高くなってしまうということで投資も、投機も進むと思われます。考えてみればバブルをつぶしてデフレにして以来、日本経済は萎縮を続けているわけで、そろそろ「節約」などといった後ろ向きの流れを断ち切ってもいいのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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