持高調整の売りや円高を嫌気して上値が重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2012年01月11日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株は引き続き堅調となり、日本市場も買い先行となったのですが、シカゴ市場(CME)の日経平均もADR(米預託証券)も冴えない動きとなっていたこともあり、上値の重い展開となりました。相変わらず外国人も持高調整の売り買いが中心で買い意欲が強いということでもなく、為替も円高気味ということで米国株高についていけずに冴えない展開となりました。寄り付きの売り買いが一巡となると全くといっていいほど指数に動きはなく、昨日の相場と若干水準が違うだけでほとんど同じような動きで方向感に乏しい展開となっています。

 好材料への反応も鈍く、持高調整の売り買いで高安が決まっているようです。日本電産(6594)などのレアアースを使わない電気自動車(EV)やハイブリッド車用のモーターの量産など、相場が良い時であればストップ高となってもおかしくはないようなニュースですし、NTTドコモ(9437)が21カ月ぶりに純増数でトップになったというニュースが出てもNTTドコモの株が上がらないというように好材料には反応は鈍くなっています。

 逆にグリー(3632)やDeNA(2432)などが連日の大幅安となるなど、実際に悪材料が実現したわけでも、直接的に指摘された悪材料ということでないにもかかわらず、過剰に反応しているという状況をみると、「買い」とか「売り」などという持高調整の動きが先にあって、連れて材料を探しては目先筋の売り買いが方向を加速しているということではないかと思います。あくまでも目先的な動きであり、大きな流れでみれば決して売り急ぐことはないと思います。

 自分が保有しているものが長期で保有しているのであれば目先の株価の上げ下げにはあまり捉われない方が良いと思います。そして逆に目先の動きに乗ってうまく値幅を取ろうと考えているのであれば、決して欲張らずに毎日確実に利益を出し、損切りをしていくことがいいのではないかと思います。いずれにしてもこうした目先の需給に振らされている相場展開の時は中途半端に仕掛けると撤退のタイミングを間違えることが多いと思われます。ここでは動きのない相場が続きいらいらとすることもあるのでしょうが、自分のスタンスを守って売り買いすることが一番だと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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