SQに絡んで買い先行で大幅高、値持ちも良く先物主導で高値圏の引け清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2012年01月13日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株が堅調となったことや先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出に絡んで買いが入り、寄付きから買われて大幅高となりました。外国人は相変わらず株数は売り越し、金額は買い越しとなっていると伝えられ、特に方向感もなく週末の持高調整、手仕舞いの売り買いが中心となるだろうと思っていたのですが、意外高となりました。オプションのヘッジで売っていた向きがオプションが決済されてヘッジをはずすために先物を買戻したという面もあると思われます。

 本日は意外高となりましたが、中国の預金準備率引き下げの話が取り沙汰されていました。ただ、もし中国の預金準備率の引き上げで買われていたとすればもっと中国関連株、特に商社株などが買われてもよさそうなのですが、先物主導で買われるというような面をみてみるとあくまでも先物やオプションの持高調整に伴う売り買いの中で買われたものと思われます。朝方も8500円までするすると先物も上昇したのですが、8500円を買い切るということもなくあくまでも8500円までの水準で買うという感じでした。

 8500円という行使価格のオプションに絡んで何か持ち高を調整しなければならないことがあって、先物を買い戻したということなのかもしれません。いずれにしてもまだこれで相場の大きな流れが変ったということでもないと思います。円高一服となり、円安に大きく振れているということであれば本日の大幅高も説明がつきますが、唐突に指数中心に買われるということであればあくまでもSQに絡む持高調整という見方で良いのではないかと思います。

 今週はここまでも特に材料に反応するということもなく米国市場の動向などにも反応は鈍く、あくまでも目先の需給に振らされる展開でしたが、そういう意味では本日もSQのおかげで売買高などは盛り上がっているものの、全く変りはないということでしょう。欧州金融不安が世界的な景気拡大で払拭されることになるのか、世界的な景気拡大が欧州金融不安からの信用収縮の動きで萎んでしまうのか、そして株価はどちらからのパターンを織り込んでいくことになるのだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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