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» 2012年01月16日 08時00分 公開

失業者と人手不足が併存するわけちきりんの“社会派”で行こう!(2/3 ページ)

[ちきりん,Chikirinの日記]

解決策を考えてみた

 次に解決案を考えてみると……。

1.外食サービス業

 社員の定着率を高めるには、サービス残業の禁止や労働時間の管理、有休取得など労働環境について徹底的に監視し、違反業者に厳しい罰則を課すなどして労働基準法を遵守させることが必要でしょう。

 残業代が適切に支払われて労働環境が改善すれば、雇用は安定するでしょうが、一方で店の人件費は大幅に上昇します。そしてそれは価格にも反映されるはずです。

 すべての外食チェーンが値上げをすることになるので、消費者はそれを受け入れるしかありません。今の「超格安」な外食産業は、違法な労働環境の上に成り立っているともいえるのですから、その適正化は当然だと思います。

2.医療&介護

 まずは、厳しい財政の縛りがあって増やせない保険収入以外の収入を、増加させる工夫が必要です。

 混合医療を認めて、余裕のある人には自費でより高度な治療を受けてもらい、同様にお金に余裕のある患者には高額でおいしい入院食を売り、お金持ちの単身高齢者が入院する際には、身の回りの世話をする(医療従事者以外の)ヘルパーを斡旋すればいいと思います。

 通院客向けに健康食や介護器具を販売するのもいいかもしれません。いずれにしても医療保険外からの収入を増やすことです。

 また、今の介護保険は大資産家でも1割負担ですが、収入や資産に応じて、税金の負担割合は変えるべきではないでしょうか?

 さらに、医療行為や介護行為に当たらない作業は、非資格者を雇用して分担させるべきと思います。

 例えば、医師は書類事務や管理系の仕事など、医療行為以外に多くの時間を使っているのではないでしょうか? 医師が医療行為に使える総時間を増やす方法としては、医師の人数を増やすよりも、医師に事務補助をつけて雑務時間を減らす方法のほうが圧倒的にコストが安いはずです。

 介護分野でも、介護施設での食器洗いや掃除を担当する人に関しては、関連資格のない人を雇っても費用が払われるようにすれば人手不足も少しは緩和できるはずです。

 つまり、専門職でない人にもできる仕事を分離して、もっと“チームで働く”方式に変えようということです。そうしないと、高齢化や核家族化の進行スピードが早すぎて、医療従事者や介護士数の確保が需要に追いつかないでしょう。

3.農業

 不況のたびに「失業している若者の就農支援」という話が出てきますが、これって「高齢者ばかりでは農作業が大変なので、失業している若者を税金で雇って手伝いに行かせよう」という話のように聞こえます。

 そもそも農家の息子さえ継がない職業に、失業者だからといって他の家の若者を就かせようとするのは明らかに無理があります。

 農業を他の就職先と同様に、将来の昇給も含め一定の収入が確保でき、計画的に休暇がとれ、小家族でも成り立つ職業にするには、「会社員として農業に従事する」スタイルの導入も検討されるべきでしょう。

 そのためには、小さな農家を生き延びさせるための施策ではなく、大型化に積極的な農業経営者や、農業に関心のある投資家や関連企業が農業に参入できる環境を整える必要があります。

 大きな規模で事業に成功する農業主体が出てこなければ、労働環境を改善し、雇用を増やすことはできません。規制と補助金によって生産性の低い農家を守り、生産性向上を邪魔するような現在の農政には180度の転換が必要です。

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