大幅下落の反動や予想を上回る中国のGDPなどを受けて大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2012年01月17日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国市場が休場となって欧州市場が格下げにも関わらず堅調ということで日本市場も買い先行となりました。昨日の大幅下落の反動や中国の経済指標の発表に期待する動きもあったものと思います。中国の経済指標やユーロの買い戻しへの反応も鈍く、相変らず復興関連として建設株などが物色されており、いつもの通り目先の需給に振らされる相場で方向感に乏しく盛り上がりに欠ける展開となりました。

 欧州各国への格下げも欧州市場が堅調となったことで打ち消され昨日の大幅安の反動となったものと思います。ユーロ買い介入の噂もありましたが、この期に及んでここでちょっとばかりの介入をしても全く意味はないと思われ、単純に買い戻しが入ったということだと思います。介入期待などということも買い戻しを急がせる向きが言っているだけのことで、ここで相変らずマスコミなどに踊らされているばかりということでしょう。

 ユーロの動きばかりではく欧州各国の格下げに関しても昨日は新聞などでもこの世の終わりのような大騒ぎとなっていましたが、ふたを開けてみるとたいしたことはなく、ユーロも買い戻しが入り、欧州市場もむしろドイツが格下げとならなかったことを好感するかのような動きになりました。中国の経済指標に関しても予想を上回ったことに反応が鈍いというようなコメントもみられましたが、反応が鈍いのではなく、金融緩和期待がはげて失望感で買われないということなのです。

 最近は特に相場を知らない人間が相場のコメントをして経済も相場もわからない記者が一人前に記事を書いていたりするから頓珍漢なことになるのだと思います。「マーケットアナリスト」や「ストラテジスト」、「エコノミスト」などと横文字を並べてもそこらの営業マンや株式評論家以下の話しかできないような人も多く、「情報の質」というものをもっと考えた方が良いのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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