好調な経済指標を受けて堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2012年01月18日 07時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8466.40△88.04

<TOPIX>731.53△6.29

<NYダウ>12482.07△60.01

<NASDAQ>2728.08△17.41

<NY為替>76.81△0.04

欧州格下げの影響も限定的、好調な経済指標を受けて堅調な展開

 連休明けの米国市場は欧州での格下げの影響がほとんどみられなかったことや、スペインやフランス国債の入札も堅調、中国経済指標も堅調でドイツの景況感指数も大幅に改善と経済指標が続々と好調とされたことに加え、ニューヨーク連銀景気指数が予想を大きく上回ったこともあって買いが先行、堅調な展開となりました。注目された銀行の決算はまちまちとなり、上値を押さえる要因となり、また、目先的な過熱感も懸念されたのですが、世界的な景気鈍化懸念が薄れたことで手仕舞い売りもこなして堅調となりました。

 欧州経済そのものがいわれたほど悪くないということが改めて認識されたことに加え、欧州の銀行も依然として健全であるとみられることなどから欧州の金融不安も徐々に米国企業への影響も限定的とみられるようになっており、信用収縮的な動きもなく、堅調な展開となっています。欧州の金融不安の影響も中国などの景気を大きく鈍らせるということになっておらず、センチメントも上向いているのだと思います。

 個別には予想を下回る決算を発表したシティグループが大幅下落、ウェルズ・ファーゴは堅調となったのですが、JPモルガン・チェースは大幅安、バンク・オブ・アメリカも軟調となるなど金融株が売られました。世界的な景気鈍化懸念が薄れ、中国景気も堅調となったことでキャタピラーは堅調ですが、GE(ゼネラル・エレクトリック)やアルコアは軟調、ハイテク銘柄もアップルやIBMは堅調ですがインテルは軟調となるなど、指数は堅調でしたが手仕舞い売りに押されるものも多くみられました。原油や金の先物価格は堅調でしたが、エクソン・モービルなど石油株は素直に反応して高かったもののニューモント・マイニングが大幅安となるなど金鉱株は冴えない展開となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国市場が休場となるなかで、欧州各国の格下げの影響がみられずに堅調となったことから買い先行となり、前日の大幅安の反動もあって大幅高となりました。中国の経済指標も好調とみられたことで買戻しを急ぐ動きもあったものと思います。ただ、総じてみると相変わらず目先の需給に振らされ、復興需要関連銘柄を物色するだけで盛り上がりに欠ける展開となりました。

 欧州各国の格下げのニュースを受けた米国市場が堅調となったことから日本市場も堅調な展開が期待されます。ただ、米国が連休中に既に日本市場は大幅高となっていたこともあり、ユーロ高の影響をある程度織り込んでいるとみても良いのだと思われます。また、ユーロも上値が重く、欧州金融不安も根強いことから冴えない展開が続くと思われます。引き続き復興需要関連ということで建設株など内需銘柄の物色も一段落となり、世界的な景気鈍化懸念が薄れたことで売られすぎた主力銘柄などは底堅さもみられるのだと思います。売られすぎのゲーム株などの反発も期待したいところです。

 日経平均は引き続き8500円〜600円水準での上値の重さを確認することになるのだと思います。欧州金融不安が払拭される、ユーロ安が止まるということでもないとこの水準を抜けて来るような展開にはなり難いと思われます。世界的な景気鈍化懸念が薄れたことで底堅さもみられ、8200円〜300円水準の下値を試すような動きにはならないのでしょうが、当面は8000円台半ばでのもみ合い、狭い範囲での動きが続くのかもしれません。

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