昨日午後の動きを踏襲したものの後場は方向感に乏しい展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2012年01月19日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株が堅調となり、ユーロ安も一服となったことから買いが先行、大幅高となりました。シカゴ市場(CME)の日経平均先物は上値の重い展開となったのですが、日本市場では先物主導で持高調整の売り買いとしての買戻しも続き大幅高となりました。前場と後場で物色対象も大きく変わり、世界的な景気回復を好感して買われたということでもなく、あくまでも目先の持高調整や中国の春節を控えての金融緩和の思惑から買い戻しが入ったということだと思います。積極的に物色対象を絞りながら買い進むということもなく、大幅高の割には盛り上がりに欠ける展開となりました。

 本日の相場も前場と後場で雰囲気がかなり変わった感じです。前場は昨日の続きのように持高調整の売り買いが続いていた感じですが、その動きに連れて動いた目先筋が後場に入ると反対売買に出たという感じではないかと思います。つまり持高調整の売り買いもここでいったん終わったのではないかということで買い戻されていたものは再度手仕舞い売りに押さえられ、手仕舞い売りに押されていたものは買戻しや買い直しが入ってそこ堅い堅調な展開となるということではないかと思います。

 いつも以上に目先の需給に振らされている感じであり、欧米の株価動向も中国の景気動向も関係ないかのような感じです。ただ、考えてみるとここ何年かは年が明けると高くなり、1月中にいったん波乱含みで高値をつけた後下値を試す動きになり、結局「節分天井、彼岸底」のような格好になることが多かったのだと思います。特に米国でまたぞろ金融規制強化の話題も出ており、好調な業績から買われたところで、信用収縮懸念が出てくる可能性もありそうです。

 欧州金融不安は一服となりましたが、相場が軟調となるとまた取り沙汰されてくるのでしょうし、目先の持高調整が一段落となったあとに本当に世界的な景気回復を織り込むように買い直されて水準訂正となるのかどうかというところです。ここからはしっかりと業績面を見極めるようになってくるのでしょうし、為替動向に振らされることになりそうです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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