大幅高の反動から売りが先行、後場に入ってからは閑散小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2012年01月23日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 先週末の米国株はダウ平均は堅調となったのですが、ナスダック指数は軟調となったことや大幅高の反動から売り先行となりました。それでも、外国人が引き続き買い越しと伝えられたこともあり、先週の買い戻しを急ぐ相場=持高調整の買いが入るのではないかとの期待が強く、寄り付きの売りが一巡となった後は底堅く、底堅さを確認して買いがはいり堅調となる場面もありました。ただ、先週と違って売買高も盛り上がらず、年末年始の時のように手掛かり難のなか冴えない展開となりました。

 先週も特に買い材料があったということでもなかったのですが、大幅高となりました。金曜日も大幅高となったことなどから週末のいろいろなコメントをみていると、「来週(=今週の事です)にも9000円乗せ、などということを言う人も多かったのではないかと思います。ただ、先週末にも述べたように皆が強気になって、まだまだ上がると思うときは案外高値となることも多く、皆が強気になったところでは相場も下落となることが多いのです。

 株式投資をしている人は(自分も含めて)そうした相場の動きを分かってはいるのですが、どうしても「今日が高値です」とは言えないのではないかと思います。まだ、ここから買いが入り大きく上昇して行くという可能性もありますが、本日の相場をみているとこの閑散とした相場展開では一気に抜けるような気にならないのではないかと思います。こうした時というのは「下落相場の始まり」なのか「上昇基調が続いている『押し目』なのが判断し難いと思われます。ただ、指数だけではなく、中身をみても先週の大幅高も買い戻し=持高調整が主体ということであれば、後はまだ持高調整の買いが入るのかどうかと言う目先の需給だけということでしょう。

 つまり、先週の勢いの良い相場と本日のまったりとした相場、そして年末年始の閑散相場も全て「特に何も変わっていない」ということなのかもしれません。売り急ぐほどではないがしっかりと買い上がるほどでもない、ということなのでしょう。何度もこのコラムでも述べていますが、基本的に為替がこれ以上円高にならないとある程度確信されるまでは上値の重い展開が続き、「何も変わっていない」ということなのだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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