円高にもかかわらず底堅く堅調だが方向感に乏しい展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2012年02月01日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株は相変わらず方向感は無く、為替が円高となったことで日本市場も売り先行となりました。ただ、芳しくない決算を発表しながら値動きの良さに連れて買われる銘柄などもあり、指数は堅調となる場面もありました。引き続き欧州金融不安や円高懸念もあり、為替の影響が大きな銘柄などは売られるものもみられ、業績下方修正に素直に反応する動きもみられました。ただ、売り急ぐような場面もなく、外国人が大幅売り越しと伝えられたにしては底堅い展開となりました。目先筋の売買は依然として活発で値動きの良い低位株などは大きく上昇するものもみられました。

 決算動向に反応しているようで、実は値動きの良し悪しだけで動いているような感じです。足元の業績は芳しくないものの、来期に期待できるということで買われているというものは少なく、今期の業績は芳しくないことが既にわかっていたということで芳しくない業績を発表して買われる銘柄などがみられました。逆に好決算を発表しても手仕舞い売りに押されるものや期待ほどではなかったと悲観的にみられて売られるものもあり、相場全体としてみた場合でも引き続き悲観的な見方が多いようです。

 先週末の「北斗会」でも話にでたのですが、今の株式市場の参加者の中には「下げ相場」しかしらないような人が多く、株式の注文もインターネットでしか出したことしかないというような人も多いようです。かつての「バブル」はもちろん「ITバブル」すら知らない人たちもあり、従来と違う雰囲気となっているようです。「見せ玉」にしても規制強化を期待する人もいるようですが、だますもだまされるもそれもまた相場と考えるのは古い考えということなのでしょう。

 それでも、決算動向に一喜一憂しながらも最終的には落ち着くところに落ち着くということが多いのですから、どんな参加者がどれだけいても、好調な業績が期待されながらも割安感が強い銘柄などは決算を発表して手仕舞い売りに押され、手仕舞い売りに押されたのをみてさらに売られたようなところでしっかりと買っておけば、最終的には落ち着くところまで戻るということでしょう。逆に、芳しくない決算を発表しても買い戻しが入り大きく上昇したような銘柄は値動きの良さで上値追いとなる場面もあるのかもしれませんが、これもまた落ち着くところに落ち着くことになると思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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