新サービスはプレスリリースから考える

» 2012年02月10日 08時00分 公開
[安田英久,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:安田英久(やすだ・ひでひさ)

インプレスビジネスメディアWeb担当者Forum編集長。プログラミングやサーバ、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、現在、Webサイト「Web担当者Forum」編集長。ビジネスにおけるウェブサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開している。


 東急ハンズの長谷川秀樹さんが、「アマゾン社で、新サービスを考える時に最初にする作業は、コンセプトドラフトとかじゃなくプレスリリースだそうだ」とブログで書いていました。面白いなと思って調べてみると、Facebookで970以上の「いいね!」を集めていました。

 実際にアマゾンでどうやっているかは知りませんが、確かに理にかなっています。プレスリリースを(ちゃんと)書くならば、最大の特徴を示すタイトル、要点を簡潔にまとめたサマリ、背景や具体的なポイントを説明する本文、開始時期、価格と、企画に必要な要素が浮かび上がります。

 また、そうして作ったリリースがメディアやブログで取り上げられるかも想像できるようになります。筆者の長谷川さんが「私も、何か、サービスを考える際に『これは、ヤフーニュースに載るのか?』と自問している」と書いているようなポイントですね。いろんなしがらみや前提条件はさておき、その企画の受け手がどう感じるか、どうとらえるかがを想像しやすくなりますからね。

 イマドキ、どれだけ良い製品やサービスでも、ただ作るだけではダメで、いかに人々の共感を呼んで情報を広げてもらえるかが、「企画の成功」へのポイントとなります。

 プレスリリースというのは、そうした流れを生めるかどうかを判断しやすいドキュメントであり、また情報の伝達経路のなかでもポイントとなるところなのですね。

自分の仕事に当てはめると……

 Web担のようなメディアが記事を作る時という小さな単位で考えると、「記事タイトル」がこれに相当するでしょうか。

 Twitterで流れるのも、Facebookで流れるのも、ブログでリンクしてもらうのも、いずれも記事タイトルが大きな役割を果たします。というか、場合によっては記事タイトルだけで判断されることも、最近は非常に多いですからね。

 だから、私も原稿をチェックする時にはまず記事タイトルを見ますし、本文がどれだけ良くても記事タイトルがダメなら、そこだけ赤字を入れて話し合うことも多いのです。

 自分で記事を書く時も、何を書くかのイメージや構成がほぼできあがっていても、良い記事タイトルが浮かばない時は、なかなか書き始められません。逆に、どんな内容にするのかが漠然としか浮かんでいなくても、良い記事タイトルが浮かべば、そこから一気に進められます。

 記事の場合は、それぐらいタイトルが果たす役割が大きいですし、タイトルを見ればウケるかどうかはざっくりと判断できるのです。

 さて、御社の仕事で、対象となる人々に情報が拡がっていくようにするには、どんな経路でのどんな表現がポイントとなりますか? そして、そのポイントをちゃんと押さえられる形で仕事を進められていますか? (安田英久)

 →安田英久氏のバックナンバー

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