ギリシャ問題の混迷に中国の冴えない貿易統計、週末の手仕舞い売りが嵩んで軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2012年02月13日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8947.17▼11.68

<TOPIX>772.77△2.92

<NYダウ>12801.23▼89.23

<NASDAQ>2903.88▼23.35

<NY為替>77.59△0.56

ギリシャ問題の混迷に中国の冴えない貿易統計、週末の手仕舞い売りが嵩んで軟調

 中国の貿易統計が冴えないことやギリシャ問題が引き続き混乱していることなどから売り先行となりました。消費者態度指数も予想を下回ったこともあり、週末の手仕舞い売りを急ぐ動きや目先的な過熱感から売り急ぐ動きもあって一時大幅安となる場面もありました。引け際には逆に買い戻しも入り下げ幅縮小となりましたが、戻りきらず軟調となりました。ここへきての楽観的な見方が薄れたということでもないのでしょうが、目先的な過熱感も強く、手仕舞い売りが嵩んだものと思います。

 一時大幅下落となっても底堅さを確認して売り切れないというように、足元の景気鈍化懸念が薄れて、企業業績の順調な伸びも期待されているものと思います。欧州金融不安や中国の景気鈍化なども懸念されるのですが、今のところ、何とかなりそうというような雰囲気になっており、楽観的な見方には変わりないものと思われます。今後も経済指標の動向などに一喜一憂するものの強含みの展開が期待されます。欧州金融不安もそろそろ織り込まれているとみてもいいのかもしれません。

 個別には中国の貿易統計が芳しくなかったことでアルコアやデュポンなど景気敏感の素材株が安く、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)、フォード・モーターなど景気敏感株は総じて軟調となりました。インテルやIBMなどハイテク銘柄に軟調なものも多かったのですがアップルが堅調、リンクトリンが大幅高となりました。増配を発表したUPSは高くなりましたが、石油需要見通しの下方修正を受けてエクソン・モービルやシェブロンは軟調となりました。ギリシャ問題の不透明感から信用収縮の動きで金融株が売られ、バンク・オブ・アメリカやシティーグループ、JPモルガン・チェースなど軒並み軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高やユーロ高を受けて若干買い先行となったのですが、週末の手仕舞い売りや持高調整の売りも多く、軟調となりました。為替も円高気味ということや先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出が終わったこと、日経平均が9000円に乗せたことで達成感も出て、手仕舞い売りも嵩んだものと思います。円高要因が完全に払拭されたということでもなく、欧州金融不安が収束したということでもなく、いったん手仕舞いという雰囲気になったのだと思います。

 先週末の米国株が軟調となったことや円安一服となったこともあり、売り先行となりそうです。今度は下値を固めて再度上値を試す動きになるのでしょうが、いったん過熱感を冷ますような調整となるのだと思います。ただ、先週末の手仕舞い売りで米国株安をある程度織り込んでいるともみられ、底堅い展開となりそうです。積極的に買い上がるには円安に振れるようなことが必要になりそうですが、売り急ぐにはさらに景気鈍化懸念や欧州金融不安の広がりや円高に振れることが必要となり、軟調ながらも底堅い展開となるのだと思われます。米国でSNS(交流サイト)の株価が暴騰したこともあり、幕間つなぎ的にインターネット関連銘柄やスマートフォン関連銘柄などが物色されるのでしょう。輸出株などは手仕舞い売りに押されそうです。

 9000円台での上値の重さを確認して今度は下値を試す動きになりそうです。目先的には8800円〜900円水準での底堅さを確認することになるのでしょうが、欧州金融不安からの信用収縮の動きが見られると、一気に8500円〜600円水準まで下落となるのでしょう。早々と8800円〜900円水準での底堅さが確認されれば9200円〜300円水準の次の節目を試す動きとなるのでしょう。

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