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» 2012年02月14日 08時00分 UPDATE

世界一周サムライバックパッカープロジェクト:モロッコの良いところを伝えるために――雑貨オンライン販売「ディアモロッコ」 (2/4)

[太田英基,世界一周サムライバックパッカープロジェクト]
世界一周サムライバックパッカープロジェクト

日本向けにモロッコの商品を通信販売

――ディアモロッコの活動・事業内容について教えてください。

宮本 バブーシュ、マルシェバッグ、ラグ、インテリア雑貨などの企画生産、輸出、小売り、卸売り業です。バブーシュ、マルシェバッグは、ほとんどの商品をオリジナルデザイン、自社工房で生産しています。

 小売りはオンライン販売のみ。卸売りは全国のインテリア・雑貨店、百貨店などでお取り扱いいただいています。従業員は日本法人が8人、モロッコ法人が45人で、毎週エアカーゴで日本向けに商品を出荷しています。

――宮本さんのディアモロッコでの役割・仕事内容を教えてください。

宮本 日本法人、モロッコ法人の代表者です。最近では、モロッコ、マラケシュにいることの方が多いですが、どこにいても両方の仕事が見られるように、仕事はほとんどグループウエア上で行っています。

 私の役割は、商品全体のイメージを作り出すこと、日本とモロッコの仕事のバランスを取りつつ全体を見ることです。

 例えば、日本のオフィスで働いているスタッフは、日本のお客さんに全面的に寄り添った姿勢、モロッコのオフィスで働いているスタッフは、モロッコの事情に寄り添った姿勢になりがちです。日本とモロッコの間で仕事をするためにはバランスが重要なので、そのあたりのかじ取りをするのが私の仕事です。

 また、毎日の仕事が忙しくなると、新しいことに目を向けることが難しくなりがちですが、ずっと同じことを繰り返していれば良いというものではないので、常に「今後どうするか、何を残して何を新しくしていくか」ということを考えています。

 新商品開発をデザイン担当者と二人三脚で行っています。新色を決めたり、一点物を買い付けに行ったり、新しい素材をセレクトしたりするのも重要な仕事です。

 創業当時は、商品の買い付けから修理、梱包、発送、お客さんへのメール連絡まですべて1人で行っていましたが、今は大部分を担当者に任せているので、私の仕事は上記+商品写真撮影+αといったところです。モロッコでのいわゆる社長業的な仕事は、すべて共同経営者の夫が行っています。

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――現地のモロッコ人を多数雇用されていると思いますが、マネジメント面で工夫していることがあれば教えてください。

宮本 モロッコ人への直接的なマネジメントは、モロッコ人の夫が行っています。トップが2人いると混乱しますし、特に保守的な職人さんたちを取りまとめるのは、彼らのことをより理解できるモロッコ人男性の方が適任です。

 職人さんたちとともに、日本人社員が常に数人働いています。日本人とモロッコ人が働く場合、日本人は最初モロッコ人の仕事の欠点ばかり目に付いてしまい、手取り足取り改善しようとしますが、大事なところだけは重点的に教えて、あとは1人1人に責任を持たせて、本人の自覚と責任で仕事をしてもらうということが大事かと思います。

 相手もその仕事で生計を立てているプロですし、長年の経験があります。評価や収入につながるということが分かれば、良い仕事をしてくれるようになります。

――モロッコと日本とで、異なるビジネスマナー・商習慣があれば教えてください。

宮本 イスラム圏ですので、暮らしの隅々にまで宗教が関わってきます。

 例えば、仕事の約束をする際も「○○のお祈りの後に」というようなアポの入れ方をしますし、大きな商売をしている人が、毎年1カ月巡礼に行くということも珍しくありません。日本であれば、1カ月社長が仕事をしないということは考えられませんが、モロッコではかえって、その人個人への信頼につながります。

 ビジネスに限らず、モロッコではあいさつが非常に重要なのですが、仕事の話だけでなく、相手のプライベートな近況を覚えておいて尋ねあうこともマナーです。会社対会社というよりは個人対個人としての付き合いを大切にしている人が多く、例えば相手の子どもの年齢や名前まで、みんな良く覚えていて再会した時に近況を尋ねあいます。

 女性が働く上でのマナーも色々あいますが、相手に不快感を抱かせないために、服装には気を付けます。また、相手が男性の場合は、こちらから握手の手は差し出しません。敬虔なムスリムで、異性とは握手をしない人も珍しくないからです。

 モロッコでは会社や銀行のトップとして、議員として働いている女性も多数います。日本ではビジネスの場で女性と知り合った際、初対面でプライベートな話題が出ることは少ないと思いますが、モロッコでは「結婚しているか」「子どもはいるか」「得意な手料理は何か?」など、女性であることを意識した話題が良く出ます。商習慣は、色々ありすぎて話しきれません。

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