欧州金融不安が薄れ円安が進んだことや中国の金融緩和を好感して大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2012年02月20日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 週末の米国株が底堅く堅調であったことや円安が進んだことに加え、中国の預金準備率引き下げも伝わり買い先行、大幅高の始まりとなりました。ただ、さすがに先週からの大暴騰で節目とみられる9500円水準に一気に戻したということで寄り付きの買いが一巡となると上値の重い展開となりました。外国人も買い越しと伝えられたこともあり、売り急ぐ動きもなく先週末に比べると高い水準で推移する銘柄も多かったのですが、上値を買い上がるには為替の動きも悪くなったということで上げ幅縮小、指数は小動きとなりました。

 先週からの上昇も意外に大きな上昇となったという感じです。よくよく見てみると節目とみられる水準ではしっかりといったん休憩したりしているのですが、これまで懸念されていた材料が一気に薄れたということでしょう。そういう意味では先週の日銀金融政策決定会合で大きな流れが変わったとみても良いのだと思います。大きな流れが変わるときというのはいったんは行き過ぎる場面があり、そしてその行き過ぎの後の動きが一瞬「ダマシ」のようにみえることが多く、ここからの動きも注意が必要ということでしょう。目先的な過熱感が強かったというのは今に始まったことでもないので、意外高となったあとの押し目をうまく捉えたいものです。

 日銀の金融政策決定会合までも円高さえ止まれば・・・、という雰囲気もあったと思われます。これ以上円高にさえならないのであれば、PER(株価収益率)が低いのは素直に低いとみればいいのであり、これ以上デフレにならないのであれば、PBR(株価純資産倍率)が低すぎるというのは本当に低すぎるということで良いのだと思います。そして、日銀の金融政策決定会合の結果が「これ以上の円高は考え難い」ということであり、「デフレ脱却の方向に進む」ということがみえたということなのだと思います。

 ですから、ここでもう一度足元の業績動向や純資産、キャッシュフローなどから割安銘柄をピックアップしてみるというのも良いと思います。目先の値動きの良し悪しで動いている面が強く、そうしてしっかりと割安、割高を見極めておけば、自分の持ち高をどうすれば良いのか何を買い何を売れば良いのかがわかると思います。目先的には需給要因で振らされると思いますが、大きな流れが変わったのであれば目先の需給に右往左往させられることなく、しっかりと見極めるチャンスでもあると思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤

清水洋介さんのメルマガ申し込みはこちらから


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.