上値の重さを確認しながらも買い気は強く堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2012年02月22日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 円安や中国の金融緩和継続期待もあって底堅さを確認して買い直されて堅調な展開となりました。寄り付きは米国市場の上値が重かったことや為替も落ち着いていたことなどから売り先行となり、目先的な過熱感を冷ますように冴えない動きとなりました。ただ、中国のPMI(購買担当者景気指数)が50を下回ったことで金融緩和が継続されるとの思惑などもあり、また為替が1ドル=80円を抜けてきたこともあって、先物にもまとまった買いが入るなど総じて堅調となりました。

 朝方から指数は上値も重かったのですが、値上がり銘柄数が1200銘柄を超えるといった状況で、「指数に惑わされるな!」という展開でした。二部株指数は27連騰となり、買い方の回転が効いているということだと思います。信用取引の買い残が2年9カ月ぶりの低水準となるなど、市場ではやはり明らかにこれまでとは違う変化が起きているのだと思います。先週の日銀の物価目標の設定と追加の金融緩和で「大きな流れは変わった」と述べましたが、ここ1週間の動きを見ていると明らかに変わったとみてもいいのだと思います。

 依然として目先筋の回転売買が主体となっているのですが、これまでとは違って、大きな流れが変わったのでしたら、本来であれば新たな市場参加者が出てこないといけないと思います。まだ、疑心暗鬼であり、誰もが参加するということではなく、「売れば儲かる」というような雰囲気もあるのかもしれませんが、少なくとも(実際には難しいですが)2部株指数を売っていれば、毎日、毎日踏み上げられているということなのです。

 もちろん、上がったものは下がるのですからどこかで売り方が儲かることもあるのでしょうが、現状では買い方有利と言う状況なのでしょう。この3月で諸々リニューアルや株式から撤退、などという声が多いので、やはりという感じで相場も底入れとなったのでしょう。まだまだ下がるから株をやめる、株式関連の雑誌や番組がなくなるとそろそろ底入れのシグナルということであり、そうした動きが出てきたことも底入れとなった要因(?)なのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤

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※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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