駅内の店舗と言えばキヨスクと立ち食いそば、というのは今や昔の話。2000年代に入り、その集客力を目当てに、本屋からブランドショップ、理容店までさまざまな業態が出店するようになり、大きな駅では商店街のようなエリアが生まれていることも。そんな駅ナカビジネスの裏側に迫ります。
鉄道を利用した時、駅の一角で「○○県物産」「面白グッズ」「カバン」「ネクタイ」「懐メロCD」などを販売するワゴンをご覧になった人も多いのでは。
だが、「そういえばそんな店舗あったなあ」という方でも、その店舗に「イケテル商品を扱っている」という印象を持っている人は正直、少ないのではないかと思う。店構えも、一昔前の風情を感じさせるものが多い。
以前は確かにそうだったのだが、ここ最近は結構イケテル商品の取り扱いも増えてきている。主な変化はスイーツ系商品が強化されていること。定番の東京土産となった商品でも、実はこのような駅ナカのワゴン販売から育ってきたものがある。
駅ナカに突然現れ、気が付くと消えている蜃気楼のような臨時売店。この業態の内側を少しお伝えしよう。
臨時売店事業では、出店する企業がなくなると収入がなくなるので、出店企業の空きがないようにスケジュールを埋めていくことがポイントとなる。加えて、ただ貸すだけでは収入は入ってこないので、いかに高い売り上げをあげられる店舗をアサインするかが肝となってくる。
当社の場合、多くの取引先企業があるほか、過去の経験から分かっている「この場所にはこの業態がいい」「A業態とC業態の相性が良いので、出店スケジュールを合わせたほうがいい」といったノウハウを駆使して、最適な臨時売店スケジュールを組み立てるようにしている。
駅ナカに臨時売店を出店する企業は、多くの場合がメーカー。例えば、食品メーカーが自社商品の販売チャネルとして活用するといったものがある。
より売り上げが見込める店舗を求めて、当社の担当者は全国各地を歩き回り、ヒット商品の開拓作業を行っている。インターネットでの人気調査から始まり、現地のお店を訪ね、店主の商品への思い入れや事業展開意欲などを確認。駅ナカで売れやすくなるような商品改善の提案も行う。
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