なぜなら、更年期になって女性ホルモンが減少するのは、自然の姿です。これらに逆らうわけですから、不自然であることには間違いありません。ただ、人によっては症状が強く、日常生活に障りが出る場合もあります。苦痛を軽減するというのも、医療の役割の一つです。そのため、減っている女性ホルモンを補って楽にし、漸減しながらソフトランディングを図ろうというものです。
したがって、自然に反したことをしているわけですから、いつまでもダラダラと続けるのがよくないことは、いうまでもないでしょう。ですから、これに反すると、乳がんや子宮がんなどのがんや、静脈内に血の塊(血栓)をつくるような副作用が出ることにもなります。ゆえに、これは補充療法というより、次に述べる対症療法に入れた方がいいと思われます。
(3)対症療法
読んで字のごとく、症状に対するもので、治療法としては、これが圧倒的に多いわけです。症状を和らげたり、苦痛を緩和したりすることで、間接的に治癒に影響を与えようということです。つまり、症状や苦痛のため安静に保てなかったり、食欲が極端に減退すれば、それだけ自然治癒力に影響が出るわけですから、それを防ぐ意味で、消極的治癒促進になるというわけです。
したがって、食欲も落ちず、苦痛も辛抱できる範囲で、安静もそれほど妨げられないなら、全く不要です。
前述したように、症状は、早く治そう、元の状態に戻そうという身体の反応ですから、これを抑えるのは治癒を遅らせることになります。
ゆえに、対症療法は、この利益、不利益を天秤にかけて、どうするかを考えなくてはいけません。鼻汁や咳、少しムカムカするなどのほんの些細な症状にもかかわらず、これらを抑えようとするのは、明らかに誤りといえるでしょう。
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