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» 2012年03月30日 08時01分 公開

2012年の転職市場はどうなる? 雇用環境をひも解けば“今”が見えてきた新連載スタート・これからのことがよく分かるコラム(2/4 ページ)

[黒田真行,Business Media 誠]

「IT」と「サービス業」への主役交代と厳選採用

 過去20年の雇用の大きなうねりの中で、確実に変化していることが2つある。

 その1つが、雇用の受け皿となる業種構造の変化だ。

 過去30年、ほぼ6000万人台前半で大きな変化のない就業人口において、1980年に24%を占めていた製造業人口が、2010年には17.3%に減少、代わりに25%だったサービス業人口が、34.3%と大幅に増加。産業構造変化を如実に物語っている。この主役交代は2000年ごろに起きていて、戦後半世紀近く雇用を支えてきた製造業が、21世紀到来とともにサービス業に主役を譲った形となっている。

 このサービス業の内訳は多岐にわたるが、ここ数年の求人件数動向をみると「介護」「流通・小売」「外食」などの接客サービス系、「人材派遣」などの人材系、「IT・情報通信関連」がけん引している。

産業別就業者数の推移(出典:リクルート ワークス研究所)

 特に、IT関連職は、スマートフォン、ソーシャルアプリ、クラウドソーシング、ビッグデータ解析など、求人需要が同時多発的に増加していることもあって、就業人口の伸びが、需要の急増に対応できていない“未曾有の採用難”と言っていい状況にある。2012年以降も、この傾向は続くばかりか、ますます激化する様相を見せている。IT人材の育成は、日本の雇用政策上、重要な焦点のひとつと言っていいだろう。

 もう1つの変化は、需要の増加に連動しない厳選採用の傾向だ。

 特に、1990年代後半の金融ビッグバン以降、海外企業との競争が一気に激化する中で、「終身雇用」「年功序列」が崩れる一方で、一気に「成果主義」の導入が進んだ。同時に「いかに余剰人員を抱えず、筋肉質な組織にしていくか?」という課題が顕在化、結果的に「多少人手が足りなくなっても、採用基準は下げない」という厳選採用が定着化。求人数と実際の新規雇用数にギャップが生じる傾向も生まれている。

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