夏野 最後が、個人の情報発信能力を高めた“ソーシャル革命”です。今どき、Twitterで1000人フォロワーがいる人は、珍しくもない。でもかつては、1000人の人と瞬時に感情を共有したりする手段なんてどこにも存在しませんでした。
こうしたソーシャル革命が引き起こしたのが、チュニジアやリビアの市民革命だとされています。ソーシャルには1つの政権を倒すほどに、個人の共振能力を高める力があることを示したのです。
それほど大きな革命の最中にいるというのに、日本ではこの状況を活用しようという動きがとても鈍い。それがもどかしいんです。
――例えばどういったところに、もどかしさを感じるんでしょうか?
夏野 分かりやすいところでは、会社組織がそうですね。ライフスタイルも仕事の進め方も15年前とはまったく違うのだから、当然組織のあり方も変わっていなきゃいけないはずなのに、相変わらずヒエラルキー構造の中で仕事をしている。
個人の能力が圧倒的に強くなっているのに、その能力を生かすような仕組みに変えられていないんです。日本だけが古いやり方に縛られているように思えてなりません。個人的には中間管理職をなくして、社長、部長、あとは平社員で十分だと思うんですけどね。
会社組織にしても、政治や選挙システムにしても、インターネットをツールととらえてフル活用すれば、まったく新しいものに変えられるはずなんですよ。
それをはばんでいるのが60歳±5歳の世代。彼らの大多数は、新しいITや事象に疎いし、同じ世代としか付き合いたがらない。そもそも新しいライフスタイルに適応できないと思っているので、ITに対する抵抗感が強い。
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