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» 2012年04月16日 08時00分 UPDATE

ちきりんの“社会派”で行こう!:国や組織の目標と個人目標、どちらが先であるべき? (2/3)

[ちきりん,Chikirinの日記]

国と国民の関係ではどうなる?

 さて、これが営利企業だとそれなりに納得できるのですが、では、国と国民という関係においてはどうでしょう?

 素直に考えれば、「国のために個人が頑張る」というのは本末転倒に思えます。「個人が幸せに暮らせるように国が支援するのが当然でしょ?」と思えます。しかし近代の日本では、大半の時期で“組織目標”が先に設定されています。

 例えば、明治時代の富国強兵とはまさに日本という“国の目標”です。そこでは、国が求める軍事技術の開発に成功した人や、国が進める西洋化に貢献した人が評価され、賞賛されます。

 さらに最も極端だったのが、第二次大戦時の大政翼賛会の時代です。当時、個人の生活のすべては「お国のため」と定義されました。

 高度経済成長期に日本は「先進国の仲間入りをする」ことを目指しましたが、これも“国=組織の目標”です。個人はその目標のため、健康や趣味や家族との時間を大いに犠牲にして頑張ったのです。

 さらに言えば、「技術立国日本」とか「国際競争力のある国を目指そう」といった言葉も、同じに聞こえます。これらも“国の目標”ですよね。

 その国の目標のために、個人が「英語力を付けろ」「海外経験を積んでたくましくなれ」などと言われるとしたら、それは国と国民の正しい関係でしょうか? (ちなみに、シンガポールは明確にこういう思想で運営されているようにみえます)。

 戦後政治をみる限り、国の目標より個人の目標が先に来ていた政治スローガンとして思いつくのは所得倍増計画くらいです。

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