独身の人に“ムチ”を打たなければいけない仕事をしたら“恋愛のナゾ”が解けてきた(3)(2/3 ページ)

» 2012年04月28日 00時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

データを見て気になること

土肥:オーネットが行った調査によると、2012年に新成人になった男性で「彼女がいる」と答えたのは24.7%でした。男女別でみると、男性が21.0%に対し、女性は28.5%。昨年の調査結果と比べると、「彼女がいる」男性は4.7ポイント増加しましたが、1996年に比べ29.0ポイントも減少しました。

 ここで気になることがあるんですよ。1998年のとき新成人だった人も、今では33〜34歳。その間に「婚活」が叫ばれてきましたが、初婚の平均年齢と生涯未婚率は右肩上がり。となると、現在20歳の人が30歳を超えれば、大変な数字になるのではないでしょうか。

西口:未来は暗いですね。

土肥:数字だけで推測すれば、暗い感じがするのですが、なんとかいい方法ってないですか? “ウルトラC”の技を使って、結婚したいと思う人を増やすような。

西口:日本政府は“アメ玉”をあげすぎなんですよ。

土肥:アメ玉?

西口:「子供が生まれれば、お金をあげますよ」――といったアメ玉をあげても効果はありません。実際、出生率はあまり上がっていません。

 むしろ、“ムチ”を入れるしかないかなと思っています。独身者にムチを打てば、効果が出るのではないでしょうか。

 例えば独身者には税率を上げ、社会負担を重くする。独身でいることで、経済的に不利益になるくらいに追い込まなければいけないのではないでしょうか。

 1人でいることは快適ですし、自由度も高い。将来不安の部分だけにフタをしていれば、生活は快適なんですよ。なので独身の人から快適さを奪わなければいけない。

土肥:なるほど。

西口:政策意図をもって税率を変えることは当たり前の話。タバコを吸う人、お酒を飲む人、クルマを持っている人、家を持っている人たちには税金を課してしますよね。独身生活を送っていることは"贅沢"なので、彼らから高い税率を徴収してもいいはず。

 でも実際に、こうした施策を実現するのは、反発が強すぎてかなり難しいでしょう。であれば、こと少子化という観点では、この国の未来は「暗い」と言わざるを得ません。

 ただ、暗くなってばかりしても仕方がありません。マクロでは悲観的、でもミクロでは楽観的に考えていいのではないでしょうか。個人のことを考えれば、結婚相手は1人だけでいい。何万人からモテる必要はないので、楽観的に動いて1人の男性・女性を見つければいい。

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