1日で5万人が来場、世界最大の子ども創作イベントとは中村伊知哉のもういっぺんイってみな!(1/2 ページ)

» 2012年05月04日 00時00分 公開
[中村伊知哉,@IT]

中村伊知哉(なかむら・いちや)氏のプロフィール:

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。京都大学経済学部卒業。慶應義塾大学博士(政策・メディア)。デジタル教科書教材協議会副会長、 デジタルサイネージコンソーシアム理事長、NPO法人CANVAS副理事長、融合研究所代表理事などを兼務。内閣官房知的財産戦略本部、総務省、文部科学省、経済産業省などの委員を務める。1984年、ロックバンド「少年ナイフ」のディレクターを経て郵政省入省。通信・放送融合政策、インターネット政策などを担当。1988年MITメディアラボ客員教授。2002年スタンフォード日本センター研究所長を経て現職。

著書に『デジタル教科書革命』(ソフトバンククリエイティブ、共著)、『デジタルサイネージ戦略』(アスキー・メディアワークス、共著)、『デジタルサイネージ革命』(朝日新聞出版、共著)など。

中村伊知哉氏のWebサイト:http://www.ichiya.org/jpn/、Twitterアカウント:@ichiyanakamura


※編集部注:本記事は2012年4月26日に@IT「中村伊知哉のもういっぺんイってみな!」で掲載された記事を転載したものです。

 東急・日吉駅から慶應義塾大学のキャンパスへと続く数百メートルの通学路。幾重にも親子連れの波が押し寄せている。年に1度、この町は子どもたちの歓声に包まれる。コンテンツを創作する子ども向けワークショップの展示会「ワークショップ・コレクション」だ。

 従来のアナログの表現手段と最先端のデジタル技術を駆使した全国選りすぐりのワークショップ・プログラムを一堂に集め、紹介する。子どもの創造・表現活動を支援すると同時に、ワークショップにかかわる人々、研究・開発者、実践者、保護者、企業、学校関係者、アーティストたちの出会いを促進する。

 今年2月には1日で5万人の来場があった。世界最大の子ども創作イベントである。実は日本はこうした活動の本場なのだ。NPO法人CANVASと慶應義塾大学メディアデザイン研究科(KMD)が主催している。頑張っている。

 参加したのは90組の創作系ワークショップ。作ってみよう、表してみよう。

 粘土細工、手紙作り、毛玉工作、缶詰のラベル作り、洗濯ばさみで空間演出、音楽に合わせて絵を描く、芝居で自分表現、江戸のつまみ細工を体験する、新聞紙を使って空想のタコのオブジェを作る、ハギレを使ってバッグを作る、ドングリを使ってクラフトを楽しむ。

 デジタル系の活動も豊富。PCを使ってアニメを作る。PCでキャラクターを作ってゲームを作る。自分だけのデジタル新聞を作る。ロボット画像を作って戦う。iPad2でオリジナル楽器を作る。自分だけのオリジナル・Webブラウザを作る。PCでプログラミングをしてロボットを操作する。デジタルで触覚を伝える。キャラクターを作って世界の人たちとバーチャルに対話する。

 スペシャル=事前予約制のスペシャルワークショップも充実している。NHK“わくわくさん”でおなじみの久保田雅人さんによる工作ショーや、モノづくり企業による“体感型”ワークショップもある。小松製作所「ブルドーザーは力持ち」ではOBのおじさんたちがブルドーザーの仕組みを体験させてくれていた。

 頑張ってくれた。

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