そこで、ウェブコンサルティング会社の覚田義明(かくだ・よしあき)社長に、隣の真似ばかりが横行するLPのあり方について「ぶっちゃけどうなのよ?」と質問してみた。そうすると……さすがであるっ。通販業界のみなさんには耳が痛い話をいっぱい聞けた。
Webでモノを買う人たち(=購入率の高い人たち)は、普通のWebサイトなら3〜6ページを閲覧する人たちであるという指標がある。その事実をもとにすると、600ページもあるWebサイトの重要なページの3〜6ページを一挙にスクロールして、見せたい順番に並べたのが現在のLP。世の中の折り込みチラシが全部似ているように、そのレイアウトや構成に大きな違いは作れないので、LPの構成&レイアウトが似ることは致し方ない。
簡単に言うと、LPは購入率が異常に高いWebサイト。購入率を高めるためには、一瞬で共感値を上げ、話題を盛り上げることが大切だ。例えば、同じ歳の子どもがいる奥さんたちは、その境遇が似ているだけで一瞬に盛り上がるのと一緒。セックスレスな奥さん同士なんて延々と昼間のランチ会でおしゃべりしているでしょう。
LPの構成やレイアウトは似てくるのはしょうがないけど、この共感値を上げるところのセンスや言葉は、一朝一夕では作ることができない。そこそこの営業マンではなく、一流の営業マンのセンスと手法をとことん研究して、実直に試していかないと形にならない。そんなところまで、真似して何とかなると思っているから、通販業界は次が見えてこないんじゃないかな。
LPがどんどん同じ見栄えになって、どこも同じになっていく一方で……エリアや動線などの個人認識をするためのone to oneマーケティングのシステムは日々進化している。昔は夢の夢だった、パーソナライズな対応が本当に可能になりつつある。
LPはそのシステムの上で動き出すことを前提とすると、現況のように真似が真似を招き、全部が最大公約数的に一本化していく世界は終焉を迎えるはず。
そういう技術を知り、その技術の上でいくつもの仮面をかぶって変化し続けられるクリエイターたちが、次代を担うことになる。Webというシステムを知った一流の営業マンたちがLPという武器を握って狩猟を続けていく。そういう時代が必ずやってくるから、真似て、真似て、自分を一流だと思っている企画屋さんやクリエーターたちは、自然に淘汰されるって……。
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