「まだまだケータイは、店頭から下げられませんよ」
先日、大阪の大手家電量販店に足を運んで少し面食らった。そこにはずらりとケータイ (従来型の携帯電話=フィーチャーホン)が並んでいたのだ。もちろん最新機種として、スマートフォンも売られている。しかし通路沿いの「一等地の棚」に並ぶのは依然としてケータイなのである。家電量販店の関係者は本音を漏らす。
「『スマホにしたら、今までと同じ使い方なのに月々の(パケット)料金が高くなった』というクレームは多い。『スマホはパケット代の節約ができない』という認識が、お客様に広がってきています。今の状況でケータイを売り場から下げる、というのは考えられませんね」(家電量販店関係者)
5月中旬から下旬にかけて、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの主要キャリア各社が相次いで新商品発表会を行った。そこでの主力商品は、ずばり「スマートフォン」である。昨年の夏頃まではスマートフォンといえばITリテラシーの高いハイエンドユーザー向けが中心であったが、昨年の年末商戦から今年の春商戦にかけてスマートフォンは一般ユーザー層向けの商品に位置づけられ、これまでの"ケータイからスマートフォンの乗り換え"を強く意識した新商品戦略をキャリアは敷いてきた。注目の機種はすべてスマートフォンであり、ケータイのラインアップは大幅に縮小された。最大手のドコモに至っては、今夏のラインアップで"ケータイの新商品はゼロ"にするという徹底ぶりだ(参照記事)。
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