「高齢者=ネット使えない人」ってホントですか?(1/2 ページ)

» 2012年08月10日 08時00分 公開
[竹林篤実,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:竹林篤実(たけばやし・あつみ)

東大寺学園高校卒業、京都大学文学部卒業。印刷会社営業職、デザイン事務所ディレクター、広告代理店プランナーなどを経て、2004年にコミュニケーション研究所の代表。ブログ:「だから問題はコミュニケーションにあるんだよ


 2012年にはいろいろな問題が起こる。まずマヤの予言によれば、地球が滅びる年だという。ノストラダムスの大予言で大騒ぎした結果を知っている年代としては、「まあ、どうってことないだろう」と思っている(イスラエル・イラン問題は心配だけど)。

 それより「オフィスビルは、どうなんだ」問題がある。リーマンショックの前、まだ景気が良かった時代に大量に建てられたオフィスビルが続々と完成し、とんでもない供給過剰に陥るという話である。が、これも本質的な2012年問題ではない。

 マーケティング的に注目すべきは、団塊世代がいよいよ65歳に達することだ。「彼らが引退すると大変なことになる」とは5年前にも言われた。ところが実際には雇用延長や再雇用などの制度を利用して働き続ける人が多く、一挙大量引退とはならなかった。けれども、いよいよ、その本格的なリタイアが始まる。そこにどんなビジネスチャンスが生まれるか。

iPadを無償提供するネットスーパー

 大阪でネットスーパー「おかいもの倶楽部」を運営する三金は、iPadを無償レンタルするサービスを始めた。筆者も以前、あるGMS(総合スーパー)と関わりが深い企画会社に同じアイデアを提案したことがある。毎年かかる巨額のチラシコスト削減、iPadは大量仕入れで原価引き下げ、プラス5年償却の合わせ技で、採算性は取れるのではないかと思っていた。

 同じようなサービスを、通信キャリアのケイ・オプティコムも展開している。「eoスマートリンク」はタブレット端末を格安で提供し、ネットショッピングに限らず、さまざまなサービスを提供する。

 このモデルのキーワードはいずれも「プロセスレス」。具体的には次図のように、従来のプロセスが短縮されることにある。

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