大田区はここまでして京急電鉄に秋波を送った。それでも京急電鉄の関心は低かった。東急電鉄は羽田アクセスを得られるとして本計画を支持し、2011年11月に開催した投資家向け説明会の資料(PDF)にも盛り込んでいる。
東急電鉄の投資家向け資料にも新空港線として記載(出典:東急電鉄)
大田区としては、なんとか京急電鉄にも積極的に参加してもらいたい。京急蒲田通過ダイヤにいつまでも固執して、京急電鉄の機嫌を損なっては困る。これが、大田区が京急電鉄の新ダイヤを「受け止める」とコメントした本当の理由であろう。
地方自治体は鉄道会社に意見するな、というつもりはない。お互いに言うべきことはいうべきだし、耳を傾けるべきだ。しかし、タイミングを間違えると嘲笑しか得られないし、不利益を被る可能性もある。「京急蒲田駅通過問題」は、その意味で良い反面教師になったと思う。
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