出すのも売るのも甘くない――非コミュプログラマーのビジネス本出版裏話Google副社長の発言が(前編)(2/3 ページ)

» 2012年11月08日 11時00分 公開
[村上福之(クレイジーワークス),エンジニアtype]
エンジニアType

甘く見過ぎていたビジネス本づくり

 日本に帰ってきても、すっかり出版のことなど忘れていたのですが、岡本さんは何度か僕に手紙や本を送ってくださいました。同じ業界のサイバーエージェントの藤田社長の本やちきりんさんの本を送っていただいて、イメージをつかんでほしいとのことでした。

 やはり、手紙まで書かれると何とかせざるを得ません。僕はシステマティックに情に弱いです。

 岡本さんとの打ち合わせの中で、いきなり「この前のつぶやきが面白かったので、タイトルは『ソーシャルもうええねん』にします!」と言い出したのですが、僕も、すごいしっくりくるタイトルだったので、そのまま引き受けました。そこで、ブログをベースに加筆して、本を作りましょうという話になりました。初めての本ですし、それが一番工数が少なくて、すぐ作れるだろうということになりました。

 しかし、実際はそれが甘くて、最終的にはいろいろ書き直しになりました。理由は、文体はバラバラですし、何より、僕のブログで「ソーシャルもうええねん」な内容が意外と少なかったからです。そんなわけで、ソーシャルメディア業界についての文章を大幅に加筆せざるを得ませんでした。最初の「NULLで出す勇気」のままでしたら、加筆なんてしなくて済んだのですが、タイトルがタイトルなため、そういうわけにもいきません。

グループ内に出版社があるにもかかわらず、二つ返事で「転載OK」を出したITmediaの懐は深い

 それと、元原稿がITmediaやエンジニアtypeなのは懸念していました

 ITmediaは皆さんご存じの通りソフトバンクグループですし、グループ内にソフトバンククリエイティブなどの出版社があります。それを無視してNanaブックスさんで出して良いのか分からなかったので、ドキドキしながらITmediaの担当者である鈴木さんにお聞きしたのですが、あっさり許可をいただきました。

 拍子抜けでした。むしろ、軽すぎて、驚きました。

 エンジニアtype編集部の小禄さんからも、許可をいただけたのはうれしかったです。これはブログではなくガチで記事なのに、良いのかと思ったのですが、寄稿なので本にしても良いとのことでした。めでたしめでたしです。

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