第3回WBCを辞退したイチロー、天才打者はどこを目指すのか?臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(1/4 ページ)

» 2012年11月21日 08時00分 公開
[臼北信行,Business Media 誠]

著者プロフィール:臼北信行

日本のプロ野球や米メジャーリーグを中心としたスポーツ界の裏ネタ取材を得意とするライター。WBCや五輪、サッカーW杯など数々の国際大会での取材経験も豊富。


 天才バットマンは来季もピンストライプのユニホームに袖を通すのか。ヤンキースからFAとなったイチローがメジャー各球団からラブコールを送られている。ジャイアンツなど複数のメジャー球団が安打製造機の獲得に向けて情報収集を開始。古巣のオリックス、そして地元の中日も強い興味を示して争奪戦に加わりそうな様相を呈しているが、米スポーツ専門局「ESPN」をはじめ大半の米主要メディアは今のところ「残留濃厚」と見ているようだ。

 GM会議でキャッシュマンGMは「われわれはイチローの代理人と積極的に話をしている。いうまでもないが、これは来季以降に向けた残留交渉。彼はヤンキースにとって間違いなく必要な存在だ」と明言。12月のウインターミーティングを前にフロントのトップクラスが1選手の去就について、ここまで踏み込んだことを口にするのは異例中の異例。それだけヤンキースの中でイチローの評価が高い証拠といえるだろう。

 米メディアの報道によれば、イチロー自身も勝てるチームで同年代の選手が多いヤンキースを気に入っているといい、1年契約で年俸500万ドル(約4億円)以上の残留提示を受け入れるものとみられている。

 来年で不惑を迎えるというのに、いまだメジャーリーグの主役級として君臨。そのモチベーションとポテンシャルには頭が下がるばかりだ。「天才」が第一線で活躍し続ける背景にはあまり報じられることがない本人の死に物狂いの努力がある。

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