しばしば、改革を起こせるのは「よそ者、バカ者、若者」だけだと言います。
こうした人々は、そもそも常識を知らないか、または、あえて常識にこだわらず、「異化」の視点、つまりまるでなにも知らないかのようにものごとを見て、「なぜこうなってるんだろう?」と疑問を持つ。そして、常識を打ち破る「斬新な発想」を得ることができる人たちなのでしょう。
社会調査を行う意義は、既知の事実や考え方を「異化」の視点、つまり「知らなかったこと」として改めて把握することを通じ、私たちの認識や理解を豊かにすることにあります。
この考え方をマーケティングリサーチや、新しいビジネスアイデアの発想に当てはめるなら、「異化」の視点で、消費者行動なり、自社のビジネスを見直してみることが、新しいインサイト(洞察)やビジネスのヒントを得るのに有効だと言えるのではないでしょうか?(松尾順)
※オイシックスの話は、日本経済新聞(2012年11月21日)の高島氏のコラムを参考にしました。参考文献:『見えないものを見る力 社会調査という認識』 (石川敦志、佐藤健二、山田一成著、八千代出版)。
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