誠編集部が選ぶ2012年のトレンドは?誠トレンド格付2012(2/3 ページ)

» 2012年12月14日 15時00分 公開
[Business Media 誠]

 誠 Biz.ID編集部の鷹木です。2009年2010年2011年と続いてきた誠トレンド格付け。4回目の2012年、誠 Biz.ID編集部で選んだトレンドは以下のようになりました。

  1. スマート文具
  2. PCレス事務機
  3. 電子書籍端末出そろう
  4. クラウド型ビジネスツール
  5. オフィス環境、ワークスタイルの変化

スマート文具、PCレス事務機、電子書籍端末

 2012年は“文具の革新”の年だったかもしれません。もちろん、スマートフォンと連係する文具、いわゆるスマート文具の普及が本格化したからです。ショットノートやKYBER SmartNoteの登場自体は2011年でしたが、ユーザーに受け入れられ、大きくビジネスを拡大したのは2012年。本誌でも特集を組んだり、ISOT(国際文具・紙製品展)2012で生放送したりしました。

スマート文具サミット

 スマートフォンとの連係を強く意識しているのは文具だけではありません。プリンタやスキャナ、プロジェクタといった事務機の多くも今年はスマートフォン対応を打ち出しました。こうした事務機の多くはこれまでPCの周辺機器としての位置付けが一般的。そんな“周辺”機器だった事務機が脱PCを果たして、PCなしで利用できるようになった(少なくともその傾向にある)というわけです。本誌でも人気の高いドキュメントスキャナで言うとScanSnap iX500imageFORMULA DR-P208といった機種もスマホ連係が売り。2013年はこの流れが強まりそうです。

 ドキュメントスキャナで言うと根強い人気の記事が電子書籍の“自炊”記事。2010年、この連載を始めたときは「そろそろKindleが日本でも始まるから、先にやっておこう」と筆者さんと打ち合わせしたのを昨日のように覚えています。実際はそれから2年経った今年、ようやくAmazon.co.jpが日本でもKindleを販売し始めたんですけどね。対抗する楽天も「楽天kobo」を開始するなど、業界も活性化。楽天はまだまだこれからの印象が強いですが、日本のIT企業がどこまで戦えるのか、鷹木は結構楽しみにしています。

ビジネスツールのクラウド化、普及期へ

 スマートフォンやタブレットの普及によって、実感することがあります。それは、クラウド化したビジネスツールやサービスを「クラウドなんだ」と意識することなく利用できるようになったこと。通信機能を標準で搭載しているスマートデバイスからアクセスしているためでしょうが、利用者も爆発的に増えました。

 共有や共同作業などがクラウドサービスの特徴でもあるんですけど、普及期以前はわざわざ「このサービス知ってますか? もしよかったらIDを取ってもらえるとファイルを共有できるんですけど」という前フリが必要でしたが、最近は普通にDropboxやEvernoteのIDを持っている人が増えていて、そうした前フリなしで共有できます。スマートデバイスがそもそも個人にひも付くものということもありますが、会社指定のサービスよりも個人で使っているサービスを活用してビジネスを進めることが本当に増えた印象です。そういう意味ではFacebookなどソーシャルメディアのビジネス活用も来年以降注目ですね。

ワークスタイルの変化

 スマートデバイスやそれに付随する連係機器の登場、クラウドサービスの普及などによってワークスタイルも大きく変わろうとしています。「BYOD(個人所有の端末を会社に持ち込む=Bring Your Own Device)」「デスクトップ仮想化」など、これまで一部業界や技術部門しか知らなかったキーワードを総務や人事などの人たちが研究するようになってきました。これが会社として「働き方を変える」という動きにつながってきています。

 個人のプライベートと仕事の時間が混ざり合うというと「ええ、自宅でも仕事をするの?」と嫌な顔をする人もいらっしゃいますが、「わざわざ出社しなくても仕事ができる」「スキマ時間に仕事を進められる」といった点が重要です。例えば子育てに忙しい若い夫婦の場合、「子供から目が放せないけど仕事をしないと家計が……」という時、自宅でも働ける環境が必要です。もちろんITによるシステムも大切ですが、それを制度化して評価につながらなければ働きがいもありません。

 スマートデバイスやクラウドを会社組織が真剣に考え始め、ようやく制度が出来上がりつつある――。今年はそんな年だったのかもしれませんね。

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