就活や転職、若年層を中心としたキャリアについて、仕事柄仕方なく詳しくなったサカタカツミが、その現場で起きている「当事者たちが気付いていないフシギ」について、誰にでもスルッと理解できるように解説するコラム。
使えない部下が毎年出現するのはなぜなのか? その理由も、垣間見えるはずです。
クリエイティブディレクター。1967年生まれ。長年、就職や転職、キャリアに関するサービスのプロデュースやブレーンを務めている関係で、就活や転職には詳しい。直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』、『就職のオキテ』がある。
個人的に書いている就活生向けのブログは、なぜか採用担当者たちから「読んでいて心が痛くなります。ホントに辛いです」という評価を受けている。Twitterアカウントは@KatsumiSakata。
「餃子の食べ方ですか? お酢にたくさんコショウを入れて、それをタレにするとおいしいですよ。しょうゆやラー油は入れないで、お酢とコショウだけです。コショウはびっくりするほど大量に入れてくださいね。辛くないから大丈夫」
編集長の吉岡綾乃さんは、ある日真剣な顔でそう語りました。餃子に酢とコショウ、一見不思議な感じですが、実はきわめてまっとうな(のかもしれない)食べ方です。
さらに彼女はふと遠くを見ながら「たまに、不思議な取り合わせの飲食店ってありますよね。おでんとハヤシライスのお店とか、ラーメンとかき氷のお店とか……。ああいうメニューを眺めていると、『常識』って何だろうって時々思ってしまうんです」とつぶやいたのを、私は聞き逃しませんでした。
そして私は「そういえば、転職が当たり前の時代といわれだして長いけれど、それってどうなんだろう」と、思いを巡らせていたのです。
キャリアを考えるコンテンツなどをのぞいてみると、そこには「転職をすることは当たり前だ」という記述が目につきます。キャリアコンサルタントと称する人たちと話をしていても、「転職を考えない社会人がいることに驚いてしまう」と、口にするケースも少なくありません。働く人たちの多くも「いつか転職を考える必要があるはずだ」と思っているかもしれません。
しかし、本当にそうなのでしょうか。各種調査などによるデータは世の中にたくさん出回っていますからそちらに譲るとして、採用の現場に流れている「感覚」のようなものから、少し考えてみることにしましょう。
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