野嶋朗(のじま・あきら)
株式会社リクルートライフスタイル ビューティ総研センター長
1988年 株式会社リクルート入社。株式会社リクルートにて高校生の進路選択や高等教育機関の広報事業に長く関わる。流通マーケティング、地域活性事業、キャリア開発、街の生活情報事業、美容情報事業を経験。進学事業カンパニーオフィサー、北海道支社長などを経て2010年10月よりビューティ総研 センター長を務める。ヘアサロン、ネイル、エステ、リラクゼーションなど美容領域全般の消費や顧客意識に関する調査、研究、企画、発信を行う。ビューティビジネス学会 理事、gcdf-JAPAN キャリアカウンセラー、華道草月流師範。
「わしも族」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? これは、ぬれ落ち葉のようにペタペタと妻に張り付いてくる定年退職後の夫を称したものです。
この言葉が出始めたバブル期は、男性陣も元気で意識もマッチョ感たっぷりでした。しかし失われた20年を経た現在、元気なのはお母さんたち。母娘が連れだってサロンで消費する「ままも族」が、いま美容の消費にインパクトを与えようとしています。
リクルートライフスタイル ビューティ総研が2012年末に行った「母娘美容消費実態調査」によると、15歳以上の娘のいる母親の5人に1人が「1年以内に、娘と一緒に美容室に行った」としています。その頻度は年に2.6回。美容室だけでなく映画館には1.9回、旅行は1.8回。母と娘が一緒になって、多くの分野で消費しているのです。
ところで「ままも族」とはどんな世代なのでしょうか。高校生以上の娘がいる35歳から上のお母さんたちで、団塊ジュニアやバブル世代になります。彼女たちは雇用機会均等法とともに社会でもまれ、夫にも子どもにも、オンにもオフにも、とにかく頑張る世代です。それ故に他人よりも自分がどう思うのかを大切にし、自分の基準で自分磨きをしてきました。
意識する相手も年齢が高まるにつれて、異性から同性そして自分へと変化していきます。自分基準の自分磨きを続けていく――美容へのモチベーションが高い世代が「ままも族」なのです。サロンに誘っているのも、店を選ぶのも、娘よりも母からのほうが多いのが特徴ですね。
− | サロンに誘う | 店を決める |
---|---|---|
母 | 57% | 54% |
娘 | 43% | 46% |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング